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【後編】絶品のピーナッツバターで、ネパールに幸せを。仲琴舞貴さん「意思を持って流される」キャリアの流儀

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ネパールのコタンという村で、ピーナッツバターをつくっているSANCHAI(サンチャイ)。ここで働く女性たちは、家の外に仕事を得たことで、経済的にも精神的にも大きな変化を遂げています。そんなSANCHAIを経営するのが、仲琴舞貴さん。日本で生まれ育ち、美容室やコンビニのリサーチ、ITのスタートアップと異色のキャリアを積んできた仲さんが、なぜコタンでピーナッツバターを作ろうと思ったのでしょうか。→記事前編はこちら!

美容室→大手コンビニ→IT企業→ネパールへ…激変キャリア

――SANCHAIを通して、ネパールの女性たちと一緒に新しい世界を切り開いてきた仲さん。ご自身のことについても教えてください! 独自のキャリアを築いていらっしゃいますね。

こうしてみると、本当にバラバラなキャリアですよね(笑)。長年いろんな職場を渡り歩いてきましたが、振り返ると、自分で望んで始めた仕事はSANCHAIが初めて。それまでは、「やむをえず働いて、流れに身を任せてきたら、こうなった」というのが正直なところなんです。

中学・高校時代はファッションやデザインに興味を持っていて、将来はそういう分野に進みたいと思っていました。でも父の強い希望で、実家の美容室を継ぐことになり、約7年間経営に携わりました。そのあと友人の紹介で、イギリスの豪邸で半年間だけ犬の世話をすることになり(笑)、1人で渡英。日本に帰ってきて、大手コンビニ会社でリサーチの職に就いたのが30歳のときでした。

――帰国して最初に働く場所として、なぜ大手コンビニを選んだんですか?

当時は、リーマンショックで日本経済がとことん冷え切ったタイミング。やりたいことをやるとか私らしさを出すとかいうよりも、「とにかく生きるために働かなきゃ……!」という焦りがありました。そんな中でたまたま出会ったのが、コンビニのリサーチ職だったんです。

――とはいえ、大企業でリサーチという仕事は刺激的ですよね。

はい、とくに市場リサーチはとても楽しかったです! 自分で課題を見つけ出して、それを分析していく面白さを知ったのはこの時期でした。今思い返しても、貴重な経験ですね。

【後編】絶品のピーナッツバターで、ネパールに幸せを。仲琴舞貴さん「意思を持って流される」キャリアの流儀

趣味の「写真」に教えてもらったこと

――自他共に認めるワーカホリックという仲さん。当時、私生活はどうでしたか?

私、友達にtoo much」ってあだ名をつけられるくらいワーカホリックなんです(笑)。放っておくとずっと仕事しちゃうので、何か仕事以外の世界を見つけようと思い、プライベートの時間は写真の勉強をしていました!

写真を学ぶ中で、気づいたことがあります。写真は視覚的なものですが、見る人の視点や状態によって、受け取り方、見え方がガラッと変わるんです。例えばAさんとBさんが喧嘩している写真でも、「Aさんがいじめられている」「Bさんが怒られている」と、人によっていろんな解釈の可能性がある。ものごとの表面だけを見ていても本質を理解することはできず、その後ろにあるものを想像することこそが大事なんだと、写真から教わりました。

――写真やアートの解釈は、見る人の数だけありますよね。

はい。そしてそれは仕事も同じです。例えばコンビニだって、「今、この店舗でこの商品が売れている!」という事象そのものよりも、その裏側にある原因や理由を突き詰めることのほうが大事。「いい商品だから売れた」わけじゃないことだって多々あります。この感覚はコンビニのリサーチにそのまま役立ちましたし、今の仕事にも生きています!

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SANCHAIのピーバッツバター。ねっとりした濃厚な味がたまりません!

37歳でITのスタートアップへ転職、ネパールとの縁が始まった

――コンビニ業界から転職しようと思ったのは、写真がきっかけだったのでしょうか?

はい。私もやっぱり写真やデザイン関係の仕事をしたいと思って、転職活動を始めたんです。でも、37歳の無経験がクリエイティブ業界に転職なんて、当然うまくいくはずもなく……。自分の写真スキルにも自信がない状態でフリーランスになる勇気は、さすがにありませんでした(笑)。

転職活動に苦戦する中で、「私は写真の何が好きなんだろう?」と掘り下げてみたところ、単にきれいなアートを見るのが好きなわけじゃないなと気づきました。表面にあることをひっくり返してしまうような、普遍的で人間の本質をついた作品にぐっと惹かれるんです。だから仕事も、何であれ「人間の本質を突く」ことに着地できればOKだと思いました。

――その中でご縁があったのが、IT企業だったんですね。

はい。友人の紹介を受けて、とりあえず言われたとおりに言われた場所に行き、出資者の方にお会いして。IoTを使ってコミュニケーションの仕組みをつくるという事業内容を、その場で初めて聞きました(笑)。ビジネスも職場環境も1から作れるまっさらなスタートアップは、面白そうだと思いました。

そこでいろいろなプロジェクトを立ち上げる中で、ネパールのピーナッツに出会ったというのが起業のいきさつです。

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ネパールの、SANCHAI工場で働いているメンバー

マイルールは1つだけ「居場所を変えるときは、ポジティブに」

――そのときどきで、うまく流されていくというのが仲さん流なのでしょうか。

私なりに「こうありたい」という意思を持ちつつ、与えられたチャンスを拒まずに流されていった結果、今のキャリアができあがったという感じです。キャリアにおいては、ガチガチに計画を立ててそれをなぞるように行動したことはないかもしれません。

――働くうえでのマイルールはありますか?

ずっと貫いていることが1つだけあって、「現状から逃げるため」に居場所を変えることはしません逃げを理由に道を選ぶと、そういう生き様になってしまいそうなので。最低限、何かしらポジティブに変われるような選択をしてきました!

――そうして、ご自身で立てた目標を着々と実現してこられた仲さん。将来の夢はありますか?

経営者である以上、まずはSANCHAIを継続させることが目標です。今ネパールの工場で働いてくれている11人はもちろん、みんなの子どもたち、孫たちの代にまで続く会社にしたい。私はもともとあまり欲がないタイプで、「これ!」と決めた1つのことを突き詰められれば満足なんです。逆に、そう思える仕事に出会えたのは幸せなことだとも思います!

極上のトロトロ感。SANCHAIのピーナッツバターはこちらから!

仲琴舞貴(なか ことぶき)●株式会社SANCHAI代表。1978年、福岡県生まれ。家業の美容院の経営に携わった後、コンビニのリサーチの仕事をしながら写真やデザインを学ぶ。IoTサービスを提供するスタートアップに参画したことをきっかけに、ネパール東部のヒマラヤの麓コタン郡へ。現在は現地の品種改良されていない希少なピーナッツを使った無農薬・無添加のピーナッツバターを製造、販売。現地女性を雇用し、働く体験を通して豊かな人生を生み出すことを目指す。

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さくら もえ
Writer さくら もえ

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