Paranaviトップ お仕事 働き方 「頑張っているラーメン店を応援したい」ラーメン評論家・本谷亜紀さんの挑戦

「頑張っているラーメン店を応援したい」ラーメン評論家・本谷亜紀さんの挑戦

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「ラーメン女子大生」として一躍有名になり、現在はラーメン評論家としてテレビを中心に17Live(イチナナライブ)のトップライバーとしても活躍中の本谷亜紀さん。現在は、ラーメン評論家・会社員・起業家として3つの顔をもち、ストイックに働く彼女。ラーメンを食べ歩くうちに気が付いた、小さなラーメン店のPRの弱さを広報で変えたい!と友人とブランディングの会社の立ち上げを決意したそう。会社員としての広報視点がラーメンの仕事にも活きる、パラレルキャリアだからこそ生まれた循環がありました。 

会社員/ラーメン評論家でパラレルキャリアをスタート

――「ラーメン女子大生」としての活動はいつごろから始められたのでしょう? 

大学3年生のときに、「お願いランキング」という番組の“ラーメンレポーター募集”のオーディションに応募したのがきっかけです。筆記試験もあって、600人くらいいた中から選ばれました。といっても、応募者の中で唯一私だけが学生で、暇そうだからという理由だったんですけど(笑)。当時は、一般企業への就職ではなく夢だった学校の先生になるべく教員採用試験の勉強ばかりしていたので、大学時代の思い出作りにと思って始めました。そこから、少しずつ「ラーメン女子大生」として番組に出させてもらうようになりましたね。

――ラーメンの筆記試験(笑)!  当時からかなりのラーメン好きだったんですね。 

そうですね。ファッション誌よりも、東京ウォーカーやラーメン専門雑誌を読み漁っているような女の子だったので(笑)。少しでも大好きなラーメン業界に近づきたい! と思っていました。実際、ラーメン界の大先輩である、石神さんや大崎さんと初めてお仕事させてもらえた時は、本当に嬉しかったですね(笑)。

――それはかなりテンションがあがりますね。 なぜ、教員になるのをやめたのでしょうか? 

大学卒業後は教員になろうと思っていたので、人生経験として民間企業で働いてみようと思い、野菜のEC販売の会社でインターンを始めたんです。それが、思いのほかすごく楽しくて。当時、会社がインターン生からしか採用をしていなかったこともあり、そのまま入社してしまいました。初めてベンチャー企業特有の「スピード感」に触れて衝撃を受けてしまって。例えば、先週出たアイデアが今週にはプロダクトになっているとか、ほかでは味わうことのできないスリリングなスピード感に完全にハマってしまいましたね。

ただ、昔から人にものを教えることが好きで、実は今でも先生になりたいという気持ちはあります。現在は、会社で運営するプログラミングスクールの広報として、間接的ではありますが“教育の仕事”に携われていることがとても嬉しいです。

PRの力で“名もなきラーメン屋さんが消えていくのをなくしたい”

――「ラーメン女子大生」を卒業してからは、会社員と並行して「ラーメン評論家」の活動を本格化させたんですね。 

卒業するときに、「学校の先生でなければ副業できるのでは?」と考え、当時まだ複業やパラレルキャリアという言葉がなかった時代に、前職の社長の「やってみたら!」という言葉に背中を押してもらい「ラーメン評論家」として仕事をしていくことを決意しました。

始めたころは、平日はすべて会社員としての業務にあてていたのですが、途中からは水曜休みをいただいたりしながら調整していきました。もちろん、その分のお給料は少し減ってしまうし、会社で稼いだお金はすべてラーメン研究に費やしていたので、26歳くらいまでは本当に貧乏でした(笑)。今は、ラーメンの仕事で得た収入を研究費にあてています。

――現在は会社員として、プログラミングスクールの広報をされているとのことでしたが、個人でもPRのお仕事をされているのでしょうか?  

起業している友人が多いので、個人でプレスリリースを書く依頼を受けていたのですが、昨年の8月から友人と、PR・ブランディング会社を立ち上げました。私は主に飲食店のPRを担当しています。飲食店は、大手でない限りプレスリリースをほとんど出さないんですよ。でも実は、メディアもプレスリリースありきで取材に行ったりすることが多いので、大企業と同じ広報の視点が飲食店にもあればいいのでは? と思ったのがきっかけ始めました。

――確かに、大手でないと広報もいなければ宣伝ノウハウもないですもんね。 

自分の体験としても、味は良いのにオープンして半年くらいたっても、口コミの評価が3.1くらいからずっと上がっていないお店があったんです。プレスリリースを書いて少しだけお手伝いさせてもらったことがあって。そしたら、味は変えていないのに、評価が3.6くらいまで上がったんです。私の使命は、“名もなきラーメン屋さんが消えていくのをなくす”ことだと思って、事業化することを決めました。

――消えゆくラーメン店の存続を、本谷さんの広報視点で支えられるのってすごく素敵です! ラーメン店以外にもPRなどはされるのでしょうか? 

そうですね。現在は、都内に2〜3店舗展開している個人のお店のお手伝いなんかもしています。これからもそういった小さな会社をPRで広めていきたいです。

自分のできる範囲で“小さく”始めてみる

――会社員・ラーメン評論家・起業と、休みなく働かれていると思いますが、リフレッシュする時間などはありますか? 

私の場合、“会社のリフレッシュが起業” で、“起業のリフレッシュがラーメンの仕事” みたいな感覚なので、うまく循環されていますね。あとは、起業したメンバーが素晴らしい価値観・人間性を持っていて、そういう人たちと皆で軽井沢に合宿へ行ったり、土日に10時間くらいのミーティングをしたりするのが本当に楽しくて、息抜きになっています。平日は就業前の7時から集まって話しています。朝7時に集合するのは辛いですけど、こんなに好きな人たちと楽しくお金が稼げるなんて、これ以上の幸せはないなと思っています。まだ動き始めて1、2カ月なので大きなお金は動いてないですが、起業したのは自分の中でとても大きかったです。

―― 本業と副業という風に分けていないとのことでしたが、意識していることはありますか? 

私の場合プライベートの境目もあんまりないんですよね。逆に分けてしまうと、お正月とか長期休み後にエンジンかけるのが大変なので……(笑)。会社のPRはラーメンのPRに役立つし、その逆もあるので、常にPR脳でいることは意識していますね。一応、活動時間は、9時〜18時と18時〜24時という感じで分けてはいますけど、意識的に分けてはいないです。分けなくてもいい職場を選んでいるのも大きいかもしれませんね。

――今後の展望を教えてください。 

10年間PR・広報に携わってきたので、その知識を本業で活かすのはもちろん、起業した会社を通して、小さな企業を大きくしていくというサポートでどんどん還元し、みんなの夢を照らすような仕事をしていきたいです。今は“誰かの為に働ける”ことが本当に楽しいです。

――パラレルキャリアを始めたい人に、メッセージをお願いします! 

まずは「自分の時間の棚卸し」が大事だと思います。誰もが私のように詰め詰めに働く必要はないと思うんですけど(笑)。特に同世代の30代の方、社会人として10年間やれているのであれば、何かしらできるスキルがあると思うので、自信を持ってやることですね。あとは、まずは“小さく動く” ということ。私も最初の1カ月は、毎日2時間ライブ配信をしても、見ている人は10人くらいで、稼ぎも0円でした。なので、いきなり「お金を稼ごう」とか「大きくやろう」と思わず、小さく自分のできる範囲でとりあえずやってみることが大切だと思いますね。

本谷 亜紀(ほんや あき)●ラーメンが大好きで幼少期から食べ歩きを始める。大学生の時にテレビ朝日「お願い!ランキング」でラーメン女子大生としてデビュー。卒業後は会社員として働きながらテレビ出演、執筆、イベント出演、メニュー開発などに携わる。これまでに食べたラーメンは5000杯以上、400店舗以上を取材。プログラミングスクール株式会社divの広報。2019年8月に仲間とrin branding officeを設立。ライブ配信アプリ17Live(イチナナライブ)のトップライバーとしても活動中。

本谷さんのブログはこちら

 

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杉森 有規
Writer 杉森 有規

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