看護師の傍らフリーランスでライティング・動画編集の仕事をしていた南遥菜さん。さまざまな資格を取得、セミナーなど自分磨きをし続けること約8年、ようやく自分の得意分野を見つけ、2022年の夏に看護師を退職し、フリーランス1本での活動がスタート。同時に、モデル・インフルエンサーをはじめとする複業を行う女性と企業をつなぐプラットフォーム「COLORFULLY(カラフリー) 」で情報発信スキルが認められ、「COLORFULLY CONTEST 2022」でグランプリに輝きました。そんな彼女に“好きを磨き続ける力”について聞きました。
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週5勤務の傍ら土日はアルバイトもこなす日々
——南さんはもともと看護師をされていたとのことですが、簡単に経歴を教えていただけますか?
看護大学中退後、医療事務の資格を取得しクリニックで働きながら看護師になりました。病棟に2年、その後美容系皮膚科でトータル3年ぐらい勤務しました。2022年の6月までは看護師をしながら、副業でブランディングや撮影、動画編集などをしていましたが、7月以降は看護師を辞め、フリーランスの活動1本でやっています。
——看護師をやりながら副業を始めたきかけは何だったのでしょうか?
病棟で2年ほど勤務していた頃に、作家でワークライフスタイリストの宮本佳実さんが提唱されている「好きなことで起業・フリーランス」という働き方を知ったことが、自分自身の働き方について考えるきっかけになりました。自分なりに小さなチャレンジを重ねて今に至ります。
——看護師と副業はそれぞれどのような働き方をされていたのでしょうか?
正社員だったので、仕事の合間にフリーランスの仕事の発信や活動をしていました。学生の頃から接客業が好きだったので、休みの日はこっそり販売員のアルバイトもしていました(笑)。平日は看護師ですが、そこで体験できないことを休日の接客業で補っているような感じで、化粧品やアパレルの販売で週1~1.5ほど働いていましたが、すごく楽しかったですね。
——看護師として週5勤務しながら土日でアルバイトなんて、すごいバイタリティです!看護師から異業種に踏み出す不安はありましたか?
フリーランスでやると、そこに付随するやったことのない業務や集客というハードルがあったので不安はありました。もともと自己肯定感が低いので「私なんかができるのかな」と考えたりもしましたが、そんな気持ちを払拭するために、自己肯定感を上げる本を読んだり、尊敬する方の発信に触れたり、実際に会いに行ったりしていました。あとは、会社で自分がやりたいことを人に話すと、大抵「そんなの無理だよ」と否定されることが多かったので、あえて違う環境に身を置くことは気をつけていました。
——「違う環境」とは具体的にどんなことをされたのでしょう?
社外のコミュニティに参加したり、フリーランスとして仕事のやり方を研究をされている方に会いに行ったり、発信に加わってみたり色々試していましたね。
8年発信を続けて、得意なことが見えてきた!
——素晴らしい行動力ですね。何が南さんの行動力の源が気になります……!
「新しいことにチャレンジしたい」「自分の違う可能性を見出したい」というのが1つと、看護師をこのまま続けていくことの恐怖みたいなものはありましたね。病棟にいたときに自分に子どもがいても休みにくい環境だなと感じていたのと、60代70代でも頑張って働いている方を見ていて、自分がその年代になって同じ働き方をするのは難しいなと考えて……。私は、身体にもメンタルもそんなに強くはないので、それまでに違う働き方を身につけておきたいなと思っていましたね。
——自分の働き方について日ごろから考えられていたのですね。今主軸になっているお仕事にはどうやってたどり着いたのでしょうか?
まず、看護師以外、自分に何ができるかわからなかったし、そもそも何が好きなのかわからない状態だったので、とりあえずいろいろなセミナーを受けたり、資格を取りに行ったりしていました。でも実際にやってみると難しくて、「私ってダメだな……」と思うことが多かったです。最終的にずっと発信を続けていたことが功を奏して、憧れの宮本佳実さんにも写真や文才を見だしていただき、そこから自分でその分野を磨いていこうと決めました。なので、時間はかかったなと思います。
——実際自分の得意分野を見つけるまでどのくらいの期間かかりましたか?
7〜8年です。そういう意味ではしぶといのかもしれませんね(笑)。
——そこまで続けられることがいちばんの才能ですね。今フリーランスになられてどのお仕事をどれくらいの割合でやっていますか?
クリエイターを6〜7割、ブランドマネージャーを2割、一般の方への写真レクチャーが1割ぐらいの割合かなと思います。
——写真を独学で始められてレクチャーをするまでの腕前になられるまでに、どんな過程がありましたか?
たくさん発信をしていたら、「どうやって写真を撮ればいいですか」と聞いてくださる方がいて、そこから少しずつ初めてきた感じなんです。私自身、写真は自己流の部分もありますし、スタイリングメゾットを学びに行くこともありましたが、学んだ後に実践して誰かに提供させていただいたものの中で少しずつ磨いてきたかなという感じです。
失敗も見せることで誰かの背中を押せるようになりたい
——アウトプットすることが重要なんですね。フリーランスだと自分で仕事を生み出さないといけない大変さがあると思いますが、何か工夫されていることなどありますか?
「お金をもらったら頑張ろう」とかではなくて、「自分ができることは全部やりたい」と思っているので、いただいたお仕事はすべて全力で取り組もうと決めています。あと、医療系出身ということもあり、ビジネスの知識が何もなかったので、わからないことは積極的に情報収集して、学ぶことには自己投資してきたかもしれないです。
——南さんのお人柄がお仕事につながっているのですね。今後の展望などありますか?
今は個人でやっているんですけど、もう少しチームで仕事できたらいいなと考えています。医療従事者で職場復帰が難しいと思っている人のお手伝いをしたり、医療系のコミュニティを主宰したりするのでもいいのですが、私自身が失敗しながらもやってきたという姿を通して「何かやりたい」と思っている人の背中を押せる場所をつくれたらなと思っています。
——医療従事者の方で働き方に悩まれている方は多いなと感じるので、ぜひそういった方々の支えや道しるべになっていただきたいです。
私は仕事ができるタイプの人間ではないので「この人でできるなら私にも絶対できるよね」って思って欲しいなと思います。
——その謙虚さが、みなさんに支持されている理由なのだなと感じます。「何かやりたいけど一歩踏み出せない」と思っている読者にメッセージをお願いします。
やりたいことってすぐに形にしたいと思ってしまうと思いますが、私が7年間やってみて思うことは「やりたいことは少しずつ変わっていく」ということでした。なので、浮かんだ気持ちがすぐに形にならなくても、まずは発信することから始めてみると何かとつながる瞬間が絶対にあると思います。自分にぴったりハマることって、意図してないけど形になっていったり、誰かに見つけてもらったりすることが多かったので、まずは自分で「好きなこと」を見つけていってほしいなと思います。
——短期的な結果を求め過ぎず、こつこつアウトプットを続けていくことで開ける世界がありそうですね。
そうですね。発信するときも、自分らしさは残しつつあまり技術的なことは考え過ぎないようにしていくと続くかなと思います。「やってみたい」と声に出すことで、誰かから「そういえば」と思い出してもらえて、お声がけしていただくこともあったので、発信したり誰かに言ったりするのは大事かなと思います。
●南 遥菜(みなみ はるな)“顔出ししないでも伝わるブランディング”をコンセプトに、パーソナルブランディングから物撮り写真、短編動画制作などを行う。Instagramでは、元看護師からフリーランスに転身した自身の経験を中心に発信。2022年8月「カラフリー」で新世代ユーザーオーディションでグランプリに輝く。