Paranaviトップ ライフスタイル 家事/育児 「3年間SAPIXで戦った」先輩ワーママのホンネに見る、2023年中学受験のリアル

「3年間SAPIXで戦った」先輩ワーママのホンネに見る、2023年中学受験のリアル

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「ワーママってハード」と聞くたびに、気になることって沢山ありますよね。「働きながら子育て、実際はどんな生活?」「習い事はいつから?」「小学校・中学受験ってワーママでもできる?」……疑問は尽きません。この連載では、小・中学受験をテーマにした小説「天現寺ウォーズ」「御三家ウォーズ」の作者で2児の母である佐野倫子が、取材や実体験をもとに、働くママから寄せられた疑問について一緒に考えていきたいと思います。今回のコラムは令和の中学受験にワーママは参戦可能か?6年生は「日曜は授業が9時間、授業料160万超!」の世界に続いて、「先輩ワーママの中学受験体験記」をお届けします。

過熱する中学受験のリアル

過熱ぶりが話題になる中学受験ですが、ピークは202526年という観測もあり、それ以降は少しずつ中学受験人口が落ち着いていくのではないかと言われています。

一方で、コロナ禍を経て私立の手厚さや迅速な対応が評価され、裾野が広がっているのも事実。また、入塾が低学年化する、大手塾と合わせて個別指導や家庭教師をつけるご家庭が増加するなどの傾向もあり、保護者の負担が急激に軽くなるということはなさそうです(涙)。

安易に中学受験に参戦し、気が付いたらお金も時間も労力も投じてしまい、今更撤退できない……。そんなことにならないために、ある程度「ロードマップ」を描いておくのが有効です。読者から寄せられたお悩み相談を参考に、先輩のお話を聞いてみましょう。 

Q.職場の先輩のお子さんは6年生。日に日にげっそりしていくお母さんの姿を見ると、「中学受験って、そんなに大変なの!?」とドキドキ。子どもはまだ1年生ですが、将来充分にサポートできるのか不安です。

2023年2月、中学受験終了!先輩ママの体験談

不安ですよね、とってもよく分かります。噂に聞く「中学受験」はなんだか大変そう。そこで、先輩ワーママにインタビュー。「働きながらサポート、ぶっちゃけるとどうでしたか?」

「3年間SAPIXで戦った」先輩ワーママのホンネに見る、2023年中学受験のリアル

2023年中学受験生を持つワーママのホンネ

夫婦ともに会社員です。小学生の息子が2人いて、学区の公立中があまりいい評判を聞かないことと、高校の内申制度を考えたとき、やんちゃな息子が思春期にいい成果を出せるイメージが湧かなかったことから中学受験に踏み切りました。

年長から3年生までは公文、4年生から大手塾に。長男は比較的勉強が得意だったので、難関校に強くてお弁当が基本的に不要であることに惹かれ、SAPIXを選びました。入塾テスト準備のため、市販の中学受験生用3年生問題集を国算1冊ずつ、1カ月で解きました。14クラスあるうちの下から4番目スタートだったと思います。

4年生は、特に苦労はなかったのですが、5年生で理科社会の授業が本格化すると、一気に家庭でのスケジュール管理と資料整理の負担が倍増……。平日はほとんど手がかけられないので、週末にまとめてファイリングと、月に1回のテストのために母親である私が勉強計画を立てました。実際に勉強を教えるのは無理でした。成績は14クラス中810番目をいったりきたり。

6年生になると、周囲の本気度がアップ。専業主婦のご家庭は、毎日間違えた問題をスキャンしてオリジナル問題集を作っていたり、開成卒のお父さんが子どもに算数をみっちり教えていたり、そのご家庭ごとの強みを発揮しだします。すると長男の成績がじわじわ下がってきてしまい……。

この頃は精神的にしんどかったですね。他のご家庭と比べてしまったのが原因だと思います。また、学校説明会に行かなくてはならないのですが、我が家は情報収集も出遅れ気味。予約もままならず、前期は土日に4校見るのがやっとでした。 

夏休みは、ほぼ毎日塾に行きます。教材をできるだけ素早く取れるように分野ごとにファイルしたり、朝6時からの勉強に付き合って一緒に早起きし、リビングで並んで仕事と勉強をしたりしていました。 

秋になると過去問演習が始まりましたが、チャレンジ校と息子の持ち偏差値が10開いている状況でした。個人面談でも、偏差値というよりも問題の傾向が合っているところを受けたほうがいいと勧められて。そこからあわてていくつかの学校説明会に行きました。すると、近くて校風も合うと感じられる学校が見つかり、そこを実質の本命校にしました。チャレンジ校2つ、本命校1つ、安全校3つというラインナップに決定。

2023年2月、中学受験を完走!「SAPIXで過ごした壮絶な3年間」を先輩ワーママが振り返る

1月中旬からは感染症対策もあり、息子は学校を休み、昼間は一人で家で過ごしていました。日中は両親がいないので心配しましたが、本人もさすがにサボる余裕はなく、必死でラストスパートに励んでいました。

結果は、1月に前受け校として受験した学校に合格、2月は第一志望、第二志望ともに残念でしたが、第三志望の本命校に合格。 

3年間頑張ってきて、最後はこんなにあっさり結果が出てしまうんだなという気持ちもあります。でも、今日、26日から学校に通い始めた息子はとっても晴れやかな表情でした。親としては、まだちょっとだけ繰り上げ合格を期待してスマホを気にしていますが……それでも、我が家としては「中学受験をしてよかった」と思えるので、成功だったのかなと思っています。

ワーママでも中学受験は可能! コツコツ努力&家族で協力の覚悟を

中学受験を完走したばかりの方にお話を伺いました。何はともあれお疲れ様でした! と頭が下がります。

インタビューを通して感じたのは、共働きでも工夫をすれば充分中学受験は充分戦えるということ。ただし週末にまとめて教材整理をする、おやつや軽食を朝作り置きしたり買えたりするように準備しておく、長期休みは学童と塾の調整をする、朝の時間を有効活用するなど地道な対策は必要です。

また働く母にとって最大の難関は、専業主婦のご家庭と比べて、サポートが足りないのではないかと心配になってしまうということ。成績が順調なときはいいものの、下がってしまったときは、やっぱり「ママがもっとサポートしてあげないと合格できないのでは?」という気持ちが忍び寄ってきます。私もそうです(涙)。

でも落ち着いて考えてみましょう。すべての条件が整っているご家庭のほうが稀。働いて経済的にサポートすることも大切ですし、共働きで志望校合格を勝ち取る人はもちろんたくさんいます。

できることをコツコツ、家族で協力しながら、目標に向けて努力していく。そう思えたならば、共働きで中学受験に挑戦することは決して難しいことではないと思います。ぜひさまざまなお話をきいて、じっくりご家庭で話し合ってみてくださいね。 

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佐野倫子
Writer 佐野倫子

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