今、全国で「梅毒」の感染報告数が急増している事実をご存知でしょうか。もちろん梅毒以外も含め、性感染症は私たちの身にいつ起こってもおかしくない問題です。過去に性感染症に感染した経験を持つ女性たちの話を元に、そのとき行った対処法や、その後の彼との関係性について聞いてみました。
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性感染症にかかっちゃったとわかったら…
国立感染症研究所の調査によると、2022年に国内で報告された梅毒の感染者数は1万2,966人。2021年の7,875人から大きく増加しました。中でも東京都は深刻で、2020年は1,579件でしたが2022年は3,677件と、2年間で2倍ほどになっています。特に女性の感染者が急増しており、10年前と比較すると男性がおよそ9倍なのに対し、女性はおよそ41倍になりました。
性感染症は「性行為により感染する病気」の総称で、梅毒以外にもいろいろな種類があります。また、性行為による感染以外にも、濡れたタオルやトイレの便座を介して感染するものや、ストレスなどの体調の変化によって自然発症することのある病気も含まれます。いざかかってしまった場合の対処は、こちらの3つです。
①まずは婦人科へ
アソコのかゆみや、おりものの増加など少しでも違和感を感じたら、まずは病院に行くようにしましょう。ほかの病気と同じように、性感染症は早期発見、早期治療が回復への近道です。
性感染症が自然治癒することは基本的にありえません。性器クラミジアや淋菌の感染症を放置しておくと、男女ともに不妊につながる恐れがあります。
②パートナーに伝える
病院に行って性感染症と告げられたら、続けてパートナーに伝えるようにしましょう。すでにパートナーも感染している恐れがあるだけでなく、伝えないままパートナーとセックスを続けていると、お互いに感染しあうことになってしまいます。
カップルで一緒に性感染症検査を受けられる医療機関もあるので、一緒に行くのもよいでしょう。
③治りづらい性感染症にかかってしまった場合は
女性に症状が出るトリコモナスや膣カンジダ症は、1度かかると、風邪やストレスなど免疫力の低下から再発する恐れがあるといわれます。そのような性感染症にかかってしまった場合は、薬で完治したからといって安心せず、常に清潔な状態を保つ、普段からバランスのとれた食事や充分な睡眠を心がけるなどの工夫で予防することが大切です。
ただし、デリケートゾーンは膣内まで石鹸で洗ってしまうと、常在菌が洗い流されてしまい、自浄作用が弱まってしまうため、逆に細菌が侵入しやすくなってしまいます。専用の弱酸性のソープで優しく洗う程度に留めましょう。
性感染症にかかった女性たち。そのとき、彼との関係は?
性感染症にかかってしまったら、治療と合わせて気になるのが「彼との関係」。実際にどうなったのか、経験者の女性たちに聞いてみました。
①一緒に治療を受けた
自分が性感染症にかかってしまった場合、彼にも同じように検査を受けてもらい2人で治療したという人が大半のようです。
最近はマッチングアプリの普及もあり、性感染症が広まっています。もし、これからアプリなどで出会った人との交際を考えているのなら、お互いに付き合う前に検査をしておくのもよいかもしれません。
②浮気を疑われた…
彼に性感染症をうつしてしまったことで、浮気を疑われ、その結果別れてしまった……という人も。
性感染症の中には、時間を置いて再発するケースもあるため、性感染症にかかったからといって一概に浮気したとはいい切れません。しかし、まだまだ性感染症=遊んでいるという偏見を持つ人は多いようです。
③なんとなく気まずくなって別れてしまった
自分が性感染症に感染しているとわかった場合、気まずくなってしまって彼に別れを告げたという人もいるようです。
もし別れるのであれば、必ず病院で検査を受けるよう相手を説得してください。相手が性感染症にかかっている可能性があると知らずに放置してしまうと、次から次へと感染してしまいます。
打ち明けるのが恥ずかしい、気まずい気持ちはわかりますが、きちんと相手に伝えることが正しい対処法です。
性感染症は、あなた1人だけの問題ではない
性感染症はたとえ治療しても、パートナーに感染させてしまっている恐れがあります。あなた1人だけの問題ではないので、もし少しでも違和感を覚えたらすぐに病院に行くようにしましょう。
忙しくて病院に行けないという人は、オンラインで注文できる検査キットもあります。匿名で、しかも自宅からできるので安心です。
また、性感染症にかからないようにするためには日頃からの対策が大切です。免疫力を高める、セックスの際はコンドームを正しく着用するなど、常に清潔な状態を保つよう気をつけてくださいね。