1つの企業に定年まで勤め上げるのが常識ーー。そんな時代はとっくに終わり、転職や起業を考える20〜30代が増えています。今回、書籍『未来がヤバい日本でお金を稼ぐとっておきの方法』(ダイヤモンド社)を出版した南祐貴(セカニチ)さんと、イラストレーターのゆんさんが「はたらく仕事選び(転職・起業)」をテーマにイベントを行いました。チケットが即完売という売れ行き絶好調なイベントの内容を、パラナビだけで公開しちゃいます!
※2023年5月、「TSUTAYA BOOKSTORE 渋谷スクランブルスクエア」にて行われたイベントの内容を記事化しています。
Contents
能力ではなく「どのイスに座るか?」で年収が決まる
――「良いイス選び」がテーマです。そもそも「良いイス」ってどういう意味?
ゆん
同じ30歳でも、年収300万円の人もいれば、1000万円を超える人もいるんですね。選ぶ業界や会社によって、そんな格差ができちゃうなんて……。
セカニチ
はい、生涯では5億円以上の格差が生まれます。その人の能力・やる気で決まるわけではない。すべては「どのイスに座るか」で決まる。だから、私たちは良いイスに座れるように正しい知識を持ちましょう。自分の労働力を高く売るために、特殊能力を身につけたり、見た目を変えたりする必要はありません。場所さえ変えればいい。だから、その勇気を持ってほしい。私は「置かれた場所で咲きなさい」ではなく「咲ける場所を探しなさい」を提唱しています。皆さまの価値を正しく発揮できる場所に行けば、自由度も収入も上がって、人生の満足度が跳ね上がるはずです。
ゆん
働くことってつまり、「どこに自分の時間を使うか決めること」ですよね。私はフリーランスですが、仕事相手とは搾取する側・される側という関係じゃなくて、パートナーとして幸せな関係を作れているかが大事だと実感しています。
セカニチ
NISAやiDeCoはフル活用するべきですが、資産形成において金融の投資はあくまでもサブ的な存在です。投資したお金は10年以上さわってはいけません。だから、メインは「働く」という側面で、自分自身で稼ぐこと。勤め先の会社とwin-winの関係性を築けていれば、金融資産もスキル資産も増えるはず。
選ぶべき会社の条件4つ、あなたは満たせてる?
ゆん
セカニチさんは、新卒で大手広告代理店に就職しましたよね。お給料が良い&福利厚生が良いこと以外に、大企業に勤めるメリットはありましたか?
セカニチ
まずは、周りから刺激をもらえることです。同期も先輩も、若い社員はみんなエネルギーに溢れていて優秀な人ばかりでした! それから社会的信用が厚いので、年収の約8倍は低金利でローンを組めるので、良い条件で不動産を買えます。今思えば、大企業で2〜3年働いて、ローンを組んで不動産を買ってから、スッパリ辞めて独立するのがベストかも(笑)。
――選ぶべき会社の条件を教えてください。
セカニチ
4つあります。下の画像を参照してください。ただ、4つのすべてを満たすのは外資系の金融機関か総合商社くらいなので、3つ満たせていればGoodですね。優良企業かどうかを経営的に知りたかったら、「株価」「売買代金ランキングTOP150」を見ればだいたいわかります。
ゆん
株価や売買代金が公表されていない企業を狙う場合は? ベンチャー・非上場企業など。
セカニチ
見極め方は4つあります。「経営者を尊敬&応援できるか」「社員にストレートに業績を聞く」「経営者のモチベーションを調べる」「社員の生の声を聞く」です。いちばん危険なのが、転職エージェントに丸投げして、言われたことを鵜呑みにして入社しちゃうケース。人からの紹介やSNSなど、なんとか社員とのツテをつくって、社員訪問で生の声を聞いてみましょう。
我慢して就職するより、好きなことを続ける方が結果的に稼げる
――就職や転職ではなく、独立するという選択肢もあります。若くして起業する人も増えていて、ゆんさんはその1人です。
ゆん
はい、私は2022年に大学院を卒業してから、フリーのイラストレーター(個人事業主)として活動しています。開業してから約1年。大学院では建築の勉強をしていましたが、学生の頃から趣味で絵を描いていて、企業のイベントでグラレコを描かせてもらうこともありました。
セカニチ
大学院は、美術系ではないんですよね。チャレンジャーなキャリアに見えますが、なぜイラストの道で生きて行こうと思ったんでしょうか。
ゆん
2020年に大学院に入学してすぐ、コロナ禍になって。仲間をつくりづらいし、勉強についていくのも一苦労……というストレスがありました。そんな中、気晴らしに出かけた日経新聞さんのイベントで「ゆんさん、絵を描いてみない?」と声をかけてもらって、イラストレーターとしてやっていこうかなと考えるようになりました。
セカニチ
ゆんさんのように好きなことで稼ぐって、かっこいいけどすごく大変なことです。いわゆる就活はしなかったんですか?
ゆん
実は、大学院の2年目では大手ゼネコンや不動産系の企業を回って就活しました。でも、なんだか違和感があって……。面接で「結婚とか考えてるの?」「子どもを産んでからも働ける?」と聞かれたときはびっくりしました。私がイメージしていた「働く」とは全然違うんじゃないかなって。だから、続けていけるのか不安はあったけど、「これが私の幸せ」と言い切れるイラストレーターの道を決意しました。なんとなく就職して毎日ぼんやり働くよりは、好きなことを小さくてもコツコツ続けていく方が、結果的にお金を稼ぐ力が身に付くんじゃないかなと。
――セカニチさんも、学生のころにビジネスを立ち上げて稼いでいたそうですね。
セカニチ
私は21歳で大学生ながら月100万円ほど稼いでいました(笑)。たばこのアンケート調査をして、そのデータを企業に売る。最初は自分1人で始めて、上手く回り始めたら人を雇って仕組み化しました。儲けるコツは「儲かっている人から学ぶこと、仕組みをうまく使うこと」です。この世には、儲かっている人が必ずいるので、諦めないでほしい。私はその後、広告代理店に就職して暗黒時代を迎えるわけですが(笑)。ゆんさんはこの1年を振り返って、どうでしたか?
ゆん
まず改善点は「自己管理」。フリーランスには、毎朝7時に起きて8時に家を出て出勤し9時までに始業する、みたいな決まったリズムがありません。時間の管理もタスクの管理も、自分を律してやらないといけないのは本当に大変でした。逆によかった点は、自由な時間を多く持てたことと、たくさんの人との出会いがあったことです。最近はイラスト教室を開いていますが、生徒さんと話す中でいろんな価値観や考え方に触れました。
セカニチ
仕事相手との信頼は、何よりも大事です。松下幸之助さんも「利は元にあり」と言っているとおり、ビジネスの肝は「仕入れ」ですから。まず信頼できるパートナーを見つけて、良い価格で仕入れることが何より大事。仕入れをミスるといくらやっても稼げない。どんな時代でも、相手から「一緒に働きたい!」と思ってもらえる自分でありたいですね。
セカニチ