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大人になった今こそおもしろい!キャリアアップも生涯学習も叶える「放送大学」で社会人大学生のすすめ

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「大人になってから学び直したい」「専門的な知識を深めたい」——そのような思いを抱えていても、時間や費用の問題で一歩を踏み出せない人も多いのではないでしょうか。 そんな人におすすめなのが、入試なし・低コストで入学できる「放送大学」です。本記事では、『人生100年時代を生きるには「学び直し」がカギ、「リスキリング」と「リカレント教育」の違いも解説』の続編として、2019年4月に放送大学に入学し現在も在学中の私が、その魅力や活用法を実体験を交えながらご紹介します。

多くの社会人が学ぶ「放送大学」とは?

大学卒業資格が取得できる正規の大学

放送大学は国の認可を受けた正規の大学で、大学卒業資格(学位)の取得が可能です。「教養学部教養学科」という1学部1学科のみが存在し、6つのコースの中から自分の好きなコースを選択できます。入学試験はありません。放送大学は英語で「The Open University of Japan (OUJ)」と表記され、まさに『すべての人に開かれた大学』なのです。

放送大学では必ずしも大学卒業を目指す必要はなく、生涯学習やキャリアアップなど、個人の目的に合った学び方ができます。学生種別は3種類用意されており、お試しで1科目から学びたい、資格を取得したい、自由に学びたいなど、ニーズに合わせて選択できます。

最も多くの学生が選択している「全科履修生」として入学すれば、最長10年まで在籍でき休学も可能なので、仕事や家庭の事情に合わせてマイペースに学ぶことができます。放送大学は、忙しい社会人にも優しい大学なのです。

日本全国で多様な人が学ぶ放送大学

どのような人たちが、放送大学で学んでいるのでしょうか?令和6年度2学期の教養学部(大学)におけるデータを参照してみましょう。

まず在学生数は、80,941人(男性:39,490人、女性:41,451人)で全国で多くの人が学んでいます。

次に年代別では、
・10代:2,847人
・20代:13,953人
・30代:11,994人
・40代:14,685人
・50代:16,510人
・60代:11,504人
・70代以上:9,448人
(計:80,941人)
となっており、年齢を問わず幅広い世代の人が学んでいます。

また職業種別では、多い順に
・会社員等:20,967人
・他大学・専門学校等に在籍する学生:7,059人
・公務員・団体職員等:6,807人
・看護師等:6,746人
・定年等退職者:6,726人
・自営業・自由業:5,736人
・無職(専業主婦・定年等退職者等以外):4,973人
・パートタイマー:4,884人
・教員:4,783人
・専業主婦(夫):4,319人
・アルバイト等:4,019人
・その他:3,701人
・農林水産業等従事者:221人
(計:80,941人)
と会社員が最も多いですが、さまざまな職業の人が在学しており、定年退職した世代の方々も生涯学習を楽しんでいることがわかります。

(出典:放送大学『数字で見る放送大学』)

放送大学が社会人の学びに最適なポイント5選

何か新しいことを始める上で懸念点となるのは、お金と時間。そして、それに見合ったメリットがあるかどうかではないでしょうか。放送大学には、社会人でも続けやすいポイントがたくさんあります。

1)放送授業は1科目12,000円、1学期1科目から履修OK!

放送大学の授業料は、教養学部(大学)は1単位あたり6,000円です。放送授業は1科目(2単位)12,000円、面接授業は1科目(1単位)6,000円となっています。このリーズナブルな授業料には、印刷教材(テキスト)・通信指導・単位認定試験の費用が含まれているのだから、驚きです。

また卒業を目指す場合にかかる学費は、約77万円です(全科履修生の入学料24,000円+卒業に必要な124単位を修得した場合の授業料)。

令和5年度の文部科学省の調査によると、私立大学であれば初年度の学費(入学料+授業料+施設設備費)が平均137万円ほどかかるため、初年度だけで放送大学卒業までにかかる金額を大きく超えます。放送大学の学費は、非常にリーズナブルと言えるでしょう。また授業料は半期ごとに次の学期に履修する科目分を支払うので、一度に大きな負担がないことも続けやすいポイントです。

2)オンラインで好きな時間に好きなだけ学習できる

忙しい社会人にとって、学習時間を捻出できるかも懸念点となります。放送大学ではオンラインで学習できる「放送授業」がメインとなるので、自分の好きなタイミングで学習できます。講義は1回あたり約45分です。放送授業は、動画形式の「テレビ授業」と音声のみの「ラジオ授業」があり、印刷教材(テキスト)と併せて学習します。

私が会社員として週5日出社していた頃は、テレビ授業をiPadで流しながら朝メイクをしたり、ラジオ授業を聞きながら車通勤したりと、日常のスキマ時間を活用して講義を視聴していました。平日は始業より1時間早く出社して休憩室でテキストを進めて、休日はスタバや図書館でじっくり勉強するのが定番でした。放送授業は、マイペースに学習を進められるのが魅力です。

また「一人でオンライン学習するだけではつまらない」という人も安心してください。各都道府県にある学習センターでは、リアルの「面接授業(スクーリング)」を他の学生たちと受講できます。私はまだ面接授業を受けたことがないのですが、方言や地域の歴史などその地域ならではの授業もあるので、いつかチャレンジしてみたいと思っています。

3)大人の知的好奇心をくすぐる、約300科目が試聴し放題!

放送大学では、コロナ禍でオンライン授業が普及するずっと前から、独自の質の高い学習コンテンツを制作してきた歴史があります。数・内容ともに充実した講義はその分野のスペシャリストが制作しており、中には東大や京大の教授の講義を受けられる科目もあるのです。

放送授業は約300科目が用意されており、外国語・心理学・福祉・数学・自然科学・経済・社会・法律・美術・健康……など幅広い分野の講義を視聴できます。それぞれの科目は約4〜6年ごとにリニューアルや廃止が行われます。半期ごとに新設科目もあり、SDGsやジェンダーといった時代を反映した科目も用意されています。

私が驚いたのは、履修中の科目以外も放送授業を視聴できることです。学部の約300科目に加えて、放送大学大学院、夏季集中科目、特別講義も視聴可能なので、いろんな講義をつまみ食いできます。授業はワード検索が可能なので、特定のテーマについて科目のくくりを超えて学ぶこともできるのです。

4)リカレント教育に最適!資格取得やキャリアアップも可能

放送大学では、資格を取得するために必要な科目を履修したり、取得した単位を活用して試験の受験資格を得たりすることが可能です。興味がある人は、公式サイトで詳細をチェックしてみてください。

<教員に関する資格>
上位・他教科・隣接校種の免許状
特別支援学校教諭免許状
栄養教諭免許状
幼稚園教諭免許(特例制度利用)
司書教諭

<看護師に関する資格・研修>
看護師国家試験の受験資格
学士(看護学)
看護師の特定行為研修

<心理学に関する資格>
認定心理士
臨床心理士
公認心理師

<その他の資格>
学芸員
社会福祉主事
社会教育主事
介護教員講習会
国家試験の受験資格取得(税理士試験・社会保険労務士試験・保育士試験・甲種危険物取扱者試験)
臨床工学技士専攻科入学資格試験

(出典:『放送大学:放送大学で目指せる学位・資格』)  

5)美術館に映画館にサブスク……学割も活用できる!

放送大学に入学すると学生証が発行され、大学ドメインのメールアドレスが付与されます。これらを利用して、さまざまな学割を活用できるのは大きなメリットです。たとえば、美術館や映画館は大学生料金で入場できますし、Apple製品やMicrosoft Officeを学割価格で購入できます。またAdobe CC、Amazon Prime、YouTube Premium、Spotifyといったサブスクも学割プランで利用が可能です。

学習していくと、新しいものに触れたくなる機会も必然的に増えることでしょう。こうした学割の活用は、さらに学びを深め視野を広げることを助けてくれます。「大人が学割を使うなんてセコい」と批判する人もいますが、活用できるものはありがたく受け取り、学んだことをまた他の人のために役立てていけばよいのではないかと、私は考えています。

人生100年時代「生涯女子大生」を貫いたっていい!

私が2019年の春に入学した際の思い出があります。午後からの入学式(学習センターで行われる「入学者のつどい」)のために大学を訪れると、その日は午前中に卒業式があったようで、綺麗におめかしした年配の方々が、大変明るく誇らしい表情で集合写真を撮影していました。その姿を見て「なんて素敵なんだろう。こんな風にいくつになっても楽しく学ぶ人生でありたい!」と思いました。

放送大学ではその楽しさに、卒業しても何度も再入学する人がいるほどです。その頂点に君臨するのが、学部6コースすべての学位記を取得した「グランドスラム」と呼ばれる名誉学生です。私は卒業を目指さない学生ですが、放送大学は純粋に学びを楽しむことを教えてくれる場だと感じています。

近年は大人の学び直しが話題となっており、資格好きの日本人は「資格を取らなければ」「せっかくなら実用的なことを」と思いがちではないでしょうか。しかし明確な目的がなくとも「学ぶことをただただ生涯楽しむ」というあり方も、私は素敵だと思うのです。

低コストで始められる放送大学は、社会人にとって最適な環境が整っています。入学式で職員の方が言っていた「放送大学では、好きなときに好きなだけ学べばいいんです」という言葉は、30代で人生初めて大学生になった私のチャレンジを今も支えてくれています。

「興味はあるけど迷っている……」という方も、まずは1科目から試してみてはいかがでしょうか。ただし一度入学すると、そこに広がる世界に魅了されて1科目では済まなくなってしまうと思いますが(笑)。

なお、放送大学2025年4月入学のインターネット出願の第1回は<2月28日(金)24時まで>、第2回は<3月1日(土)0時~3月11日(火)17時まで>となっています。あなたと学友になれることを楽しみにしています!

※本記事の情報は、2025年2月現在の情報です。最新情報や詳細は、放送大学公式サイトにてご確認ください。

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Miyu
Writer Miyu

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