あなたは、忙しい毎日の中で“自分の幸せ”についてじっくりと考える時間を持っていますか?心の声に向き合いたいと思いながらも、自分のことは後回しになっている女性も多いかもしれません。キャリアスクールを運営する株式会社ICOREと、セルフケア事業を運営する株式会社Lilynageは、2025年9月に『Women’s Wellbeing Fes 2025〜わたしの幸せを見つける 女性のためのウェルビーイングフェス〜』を共催しました。参加者それぞれが、自らの幸せに思いを馳せた一日の様子をお届けします。
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『Women’s Wellbeing Fes 2025』とは?

さまざまな情報や選択肢があふれている現代では、自分でも気づかないうちに「誰かにとっての正解」を追求してしまい、自分にとっての幸せを見失ってしまうことがあります。
『Women’s Wellbeing Fes 2025』は「幸せを知り、感じ、選ぶ」をテーマとしたゲスト講演や体験プログラムを通じて、自分にとっての“本当の幸せ”とは何か?に立ち返る時間を参加者に届けるイベントです。ウェルビーイングとは、単なる健康や幸せだけでなく、心・身体・社会、すべての調和が取れて満たされた状態のことをいいます。
【第1部】わたしのウェルビーイングって何だろう?
ゲスト:一般社団法人ダイアローグ・ジャパン・ソサエティ理事 及川美紀さん

幸せを“知る”第1部では、株式会社ポーラ・元代表取締役社長で現在はダイバーシティ推進に取り組む、及川美紀さんが講演しました。
ウェルビーイングとは、瞬間的な幸せではなく「長期的に見たときに幸せだと思えること」であり、その途中では残念なことや不幸なことも実は含まれている——しかし、そんなことを跳ね飛ばせるパワーこそがウェルビーイングである、と及川さんは語ります。
茨木のり子さんの詩に学ぶ「自分の足で立つ」生き方
講演の冒頭では、詩人・茨木のり子さんの『倚りかからず』という詩を引用し、その解釈を共有しました。この詩は、社会的通念や過去の経験、外部の権威に依存することなく、自分の足でしっかりと立ち、自身の判断で生きることの尊さを教えてくれるものです。
それと同時に、頑張って生きる中でときには「椅子の背もたれ」に背中を預けるように、ゆっくりと休息を取ることも必要であると解釈しています。及川さんは人生の岐路に立った際にこの詩に立ち返り、勇気を得てきたのだそうです。
現代女性が幸せに生きるための“4つの秘訣”
続いて及川さんは、メイントピックとして「現代女性が幸せに生きるための“4つの秘訣”」について紹介しました。“4つの秘訣”はそれぞれが独立しているのではなく、すべてが掛け算のように密接に繋がり合っていると語りました。

1. 自立:自己決定権の獲得
どのような生き方であっても、主体的に人生を選択する「自己決定権」を持つことが女性にとって極めて重要です。誰かのためではなく、自分が「こう決めた」という確固たる意思が、充実した人生を送るための第一歩となります。
2. キャリア:長期で考える・経済力の獲得
自分らしい生き方を実現するためには、長期的な「経済的自立」が欠かせません。経済力を獲得することで選択肢が広がり、より自由に人生をデザインできます。会社のため、給料をもらうためだけに働くのではなく、「実現したい自分」や「作りたい世界」があるから働くという意識が、やりがいのある長期的なキャリアに繋がります。
3. チームビルディング:同志・仲間の存在
長期的なキャリアと自立を考える上で、周囲との「チームビルディング」は不可欠です。感謝できる仲間と共に働き、感謝される関係性を築くことが、長期的なキャリア自立に繋がります。
さらに女性は自分以外の人に時間を取られることが多く、自然と気が回るため、家事や育児の負担が大きくなりがちです。しかし「手をかけることだけが愛情ではない」という考え方も大切です。効率化を図ることは愛情を抜くことではなく、自分を慈しむ時間を作るための大切な手段であり、チームで分担することにも繋がります。
4. 健康:女性特有の健康課題に目をつぶらない
すべての基盤となるのが「健康」です。女性の体は非常にデリケートであり、心と体の健康にしっかりと目を向けていくことが重要です。女性は健康診断の受診率が低く、体調不良を自覚しながらも無理をしてしまう傾向があります。
誰かの体調が悪いときにケアできる社会、そしてケアの方法を教え合える社会を作っていくことが、男女問わずウェルビーイングな未来に繋がります。
最後に及川さんは、仲間たちと女子会を楽しんだり、学びや体験を目的とした旅行に出かけたりと充実した日々を送っているエピソードを紹介し「50〜60代になっても健康で経済力があれば、人生はとても楽しい」と、笑顔で講演を締めくくりました。
【第2部】わたしの幸せのカタチを見つけよう
主催:株式会社ICORE代表 安藤美玖さん、株式会社Lilynage代表 Lilyさん

幸せを“感じる”第2部では、主催の安藤さんとLilyさんによる「自分にとっての本当の幸せとは何か」を五感を使って感じるワークが行われました。
まずは「幸せの四因子」に基づく16個の質問に点数をつけて、自分はどんな種類の幸せが強い人間なのかをチェックしていきます。
幸せの四因子とは?
(1)やりがいや強みを持ち、主体性が高い「やってみよう因子」
(2)つながりや感謝、利他性や思いやりを持つ「ありがとう因子」
(3)前向きで楽観的、ポジティブである「なんとかなる因子」
(4)自分を人と比べすぎず、自分らしさを持っている「ありのままに因子」

次に、Lilyさんによる自分自身の存在を感じながら五感を磨くワークです。今回は、五感の中でも聴覚、嗅覚、触覚の3つを体感します。肌に触れるとオキシトシンという幸せホルモンが分泌され、自己受容や自己肯定感を高める効果があるのだと、Lilyさんは説明します。
「肌は、自分と他者の境界線です。配布したクリームを使って“これが私なんだ”と自分の肌に触れながら、湧き起こってくる感情なども感じてみてください」(Lilyさん)

続いては、シールを使った「最近の自分が大切にしていること」を確認するワークです。熱中・愛・思いやり・平和……など、さまざまな言葉が並ぶ中からシールを選び、自分が大切にしていることを隣の席の人とシェアしました。
「“最近の私はこれを大切にしてるな”、“こんなことに幸せを感じているな”と認識して、シールを選ぶという行為も自己決定の一つです。自分の大切にしていることをこのようにシェアし合える仲間がいると、幸せの輪が広がっていく感じがしますよね」(安藤さん)
ワーク全体を通して、参加者は自身の幸せについて深く考え、自己決定の重要性や他者との繋がりの豊かさを再認識しました。

【第3部】わたしの幸せは、わたしが決める
ゲスト:株式会社Sunny Tech 代表取締役 中山晴菜さん、合同会社Entrada代表 野口沙貴さん

幸せを“選ぶ”第3部では、大阪のIT企業で取締役を務めながら、自身が代表を務める会社の経営もしている中山さんと、デトックス美容家として活動する野口さんの二名がゲストとして登壇。自分の中にある「幸せの思い込み」に気づき、自分らしい価値観を再発見することをテーマとしたトークセッションが行われました。
会場では、登壇者だけでなく参加者も含めて
「あなたにとって“幸せ”ってなんだろう?」
「こうしなければ幸せになれないと今思っていることは?」
「それってほんと?ほんとうの自分はどうしたい?」
といったテーマについて掘り下げ、自らの深いところにある本音や、他では話せない秘密のエピソードをシェアしました。

現在は会社の役員を勤めながら、登録者11万人超のYouTubeチャンネル「いまさらチャンネル」を運営する、パワフルな中山さんですが……
「過去には恋愛を通じてさまざまなことを経験しましたが、そんな20代を経て、30歳になってから初めて“自分の人生を自分で動かしている”と感じています。今はおひとりさまライフを楽しんでいて、自分の好きなことを自分で選べるのが幸せです」(中山さん)

“なりたい私で生きる”を叶える「美女ごっこProject」を主宰し、全国の女性をサポートしている野口さんは……
「自分に自信がなかった20代の頃は、ブランド品や彼氏の肩書きで自分に価値を見出そうとしていたこともありました。今は理想の未来の自分を演じる「美女ごっこ」をしながら、最高に自分に酔っているときに幸せを感じます。たとえば、五感を刺激する体験をしているときや、知らない世界に新たに出会ったときに、幸せを感じますね」(野口さん)

エピソードをシェアするうちに、実は多くの人が「自分の幸せのためではなく、誰かの幸せのために生きていた」体験があることがわかりました。トークテーマを通じて、参加者それぞれが「本当の自分はどうしたいか」に気づけた時間となりました。
【第4部】わたしの幸せ、あなたの幸せ、みんなの幸せ

イベントの締めくくりとなる第4部では、イベント全体を振り返りながら「自分にとっての幸せ」を一人ひとりが言語化し、カードに書き込んでシェアしました。さらにイベントの感想が会場に映し出され、参加者たちの思いや幸せが会場内をあたたかく包み込みました。

『Women’s Wellbeing Fes 2025』には、全国各地から300名を超える女性たちが参加し、大盛況のうちに幕を閉じました。読者の皆さんも、カフェで手帳を開きながら、自分の幸せや自分らしい生き方について考えてみる。もしくはこのイベントのように、友達と考えをシェアして語り合ってみる……そんな豊かなひとときを過ごしてみてはいかがでしょうか。
