Paranaviトップ お仕事 働き方 営業職は超売り手市場!営業転職のプロ・梅田翔五さん、AI時代の“営業職の可能性”について教えてください!【後編】

営業職は超売り手市場!営業転職のプロ・梅田翔五さん、AI時代の“営業職の可能性”について教えてください!【後編】

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転職活動の際に必ず見かけると言っても過言ではない、営業職の求人。ライフイベントも考慮してキャリアプランを立てたい女性としては、結婚や出産を経ても長くキャリアを築いていける仕事か、そしてAI時代にも残る仕事かどうかは気になるところです。

そのような疑問に答えてくれたのは、営業転職のプロフェッショナルである、株式会社セレブリックス キャリア&リクルーティング事業本部 部長代理の梅田翔五さんです。後編となる今回は、女性におすすめの営業職や、これからのAI時代に必要な営業スキル、そして梅田さん初の著書「営業の転職」の見どころについても詳しく聞きました。

>>営業職は女性のキャリアを広げてくれる!?営業転職のプロ・梅田翔五さん、“営業職の魅力”ってなんですか!?【前編】

ライフイベントを経て働く女性には、既存顧客や分業型の営業職がおすすめ

——前編では、営業職の仕事の魅力や、営業経験が今後のキャリアにどのような価値をもたらすのかについてお話を伺いました。パラナビ読者は女性が多いため、結婚や出産などのライフイベントを経ても活躍できる仕事なのかも、率直にお聞きしたいです。

営業職といってもさまざまであるため、正直なところ続けやすい営業と、続けにくい営業に分かれると思います。まず、ライフイベントとの相性が良くないのは、新規の商談を数多くやらなければいけない営業です。お子さんが体調を崩して保育園から呼び出しがかかるというのはよくある話だと思いますが、新規のお客様のアポイントを簡単にずらすことはできません。

その裏返しで、既存のクライアント中心の営業などは相性が良いと思います。既存のお客様とは関係性ができていますし、継続での発注が見込めるため、リスケをお願いしたことが原因で売上が下がったり、関係性が崩れたりということはあまりないでしょう。「梅田さんもお子さんいて大変ですね。今日はいったんリスケしましょうか」といった話がしやすいのです。

これを新規で一度も打ち合わせしたことがないお客様にやると「じゃあもういいです」となってしまい、売上を毀損する可能性が非常に高まります。ですから、新規か既存かで言えば、既存のほうが明らかにライフイベントとの相性は良いです。

それに加えて、リモートワークが可能な会社であったり、インサイドセールスやカスタマーサクセスといった分業型の営業職は、柔軟な働き方がしやすい傾向にあると思います。子育て中の人には、フィールドセールスが最も難しいかもしれません。ある程度の営業スキルをつけたり、成果や信頼を積み上げていったりすることで、自分の生活に適した職種への異動やキャリアチェンジもしやすくなるはずです。

AIに代替されない営業になるには——これからの時代に求められる営業像

——セレブリックスでは、梅田さんが立ち上げを担った「SQiL Career Agent」という営業職特化の転職エージェントサービスも展開していますよね。最近の転職市場における、営業職の市場価値について教えてください。 

転職市場における営業職の求人は増加傾向にあり、市場価値は高まっています。しかし同時に営業職の中での「格差」も広がっており、求人が多数ある中でもなかなか受からず、転職活動に苦戦する営業もたくさんいます。

その要因として、AIやウェブマーケティングの発展が背景にあります。これまでの顧客にとっては、営業が持っている情報に大きな価値がありました。しかし現在は、顧客がAIなどを使って自ら情報を取得しやすくなったことで、営業と顧客の情報格差が縮小しているのです。そのため今後は、不勉強でスキル不足な営業はAIに代替され、顧客から相手にされなくなっていくでしょう。

——AI時代の営業職には、どのようなスキルが必要だと思いますか?

まずは「AIに聞いても分からないことが梅田さんだったら分かる」といった、その領域の専門性の高さが非常に重要です。加えて、お客様の「モヤモヤの正体を言語化できなくてAIにうまく質問できない」という状況に対して、モヤモヤを言い当てられるくらいのヒアリング力や言語化能力も必要でしょう。

これからの営業職には、質と量の両方が求められると思います。「質」においては、AIでは提供できない人間ならではの魅力や気遣い、顧客の潜在的な課題を引き出すヒアリング力や専門性が重要です。一方で「量」においては、AIを積極的に活用し生産性を高めることで、より多くの顧客と接する機会を創出することが求められます。

——人間ならではの魅力でいうと、梅田さんがSNSで発信している「営業あるある」は、営業職をユニークに表現しつつ、営業職以外の人でも共感ポイントがあるような、梅田さんならではのコンテンツですよね。

ただふざけているだけに見えるかもしれませんが(笑)、実はそれがきっかけで受注に至るようなケースもあるんですよ。世の中、真面目な話ばかり読みたい人ってほとんどいないですよね。だから多くの人に情報を広く届けるためにはエンタメ要素が絶対に必要で、そこから「この人おもしろいな」と興味を思ってもらえて初めて、本当に伝えたい真面目な話も聞いてもらえるようになると思っています。

——ここまでのお話で、営業職が気になってきた人も多いかと思います。営業職の求人を見る上でのポイントについても教えてください。

まずは求人を見る前に、働く上で自分が何を優先したいのか、この転職で何を叶えたいのかという、自分自身の軸を持つことが重要です。そして自分がどのような強みを持っているのかを明確にした上で、その会社が自分に合っているかを見極めることが、後悔のない転職に繋がります。

求人を見る上では、給与や福利厚生といった条件面だけを重要視してしまう人が多いのですが、そうすると転職活動に苦戦したり、後にミスマッチに苦しむ場合が多いです。条件面だけを見るのではなく「その会社が誰に何を提供して、どのようにお金をもらっているのか」という事業内容を深く理解し、その中で「自分の役割は何で、どのような業務をやるのか」を考えることが不可欠だと思います。

あとは、その会社の文化や雰囲気が自分にマッチするかを見るのも大切です。これは部活選びと似ていると思っているのですが、たとえばこれまで帰宅部だった人がいきなり甲子園に出るような野球部に入っても、適応できないですよね。憧れで会社を選んでしまう人も多いのですが、これまで自分はどのような文化圏で生きてきて、これからどのように過ごしたいのかは、意識したほうがいいポイントだと思います。

初の書籍「営業の転職」に込めた思い

——10月に発売した梅田さん初の書籍「営業の転職」の見どころについて教えてください。

現代は、キャリアや転職というものが誰にとっても身近な存在になりました。しかしそのぶん、職種を問わない抽象的なキャリア論に終始しがちになっているとも感じます。誰にとっても「まぁそうだよね」という話を自分に最適化して落とし込み、行動にまで移せる人は少ないはずです。

本書では「キャリアとは何か?」といったような本質を捉えつつ、営業職に特化することで具体的なアクションまでを指南しています。私自身はこれまで5社でキャリアを歩んできましたが、営業職の方がこれまでの経験を活かして、今後のキャリアをどう羽ばたかせていくか?ということを詰め込んだ本です。

すでに営業職として活躍されている方はもちろん、これまで営業職に携わったことがある方、そして「営業職ってどんな仕事だろう?」「自分にもできるかな?」と少しでも興味を持っている方に、ぜひ読んでいただきたい一冊です。

>>梅田さんの書籍「営業の転職」はこちら

梅田 翔五(うめだ しょうご)●株式会社セレブリックス キャリア&リクルーティング事業本部 部長代理。東京都八王子市出身、上智大学経済学部経営学科卒業。大手製薬メーカーで営業としてキャリアをスタート。ダンススタジオの経営、大手人材紹介会社でのCAマネージャー、SaaSスタートアップでのセールスマネージャーを経て、株式会社セレブリックスへ入社。営業職特化の転職エージェント「SQiL Career Agent」の立ち上げを担い、現在はキャリア&リクルーティング事業本部 部長代理として営業職採用領域を統括。X:@job_and_life

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