あけましておめでとうございます。今年の目標は決まりましたか?新しい年になった今、目標を立てるには絶好のタイミング!しかし今まで、なかなかその目標を達成できたためしがない……。「私って意志が弱いのかな?」そんなふうに思っていませんか?実は目標達成のための行動が続かないのは、意志が弱いせいではありません。今回は、関連する脳の働きと対策についてお話します。
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脳と心のしくみから考える「続く目標」の立て方

新しい年が始まると、「今年こそは」と目標を立てる人は多いと思います。運動、ダイエット、勉強、貯金、丁寧な暮らし……。ところが、1月も半ばを過ぎる頃になると、「もう続いていない」「また三日坊主だった」そんなふうに、なっていませんか?やっぱり今年もダメだった……と、ひっそり自分を責めてしまう方も少なくないでしょう。
しかし、最初にお伝えしたいのは
目標が続かないのは、あなたの性格や根性の問題ではないということです。
実はこれ、脳の構造上とても自然な現象なのです。
脳は「変化」をストレスとして感じる
人間の脳は、本来とても保守的です。特に、意思決定や行動、感情のコントロールを担っている前頭前野は、
- エネルギーを多く消費する
- 疲れやすい
- ストレスに弱い
という特徴があります。新しい目標を立てるということは、前頭前野に「今までと違う行動を続けてください」とお願いすること。脳からするとこれは、 省エネモードを解除して、ずっと頑張り続けるよう求められている状態です。そのため、最初はやる気があっても、
- 忙しくなった
- 体調がいまいち
- 予定が崩れた
といったきっかけで、前頭前野はあっさり疲れてしまいます。これは「怠け」ではなく、 脳が安全と安定を守ろうとしている反応なのです。
「意志力」には限界がある
よく、続けるためには「気合」「意志の強さ」が重要だといわれます。もちろんそれも重要ですが、医学・心理学の世界では、意志力は有限な資源だと考えられています。私たちは毎日、
- 仕事での判断
- 家庭での役割
- 人間関係の気遣い
- 情報過多な環境
こうしたことで、すでに前頭前野を酷使しています。特に30〜40代女性は、会社でもある程度責任のある仕事を任されていたり、後輩を教育する立場になっていたりすることも多いはず。家庭でも、家事や育児に追われ、ママとしても奮闘している人もいるでしょう。
そうすると「ちゃんとしなきゃ」「迷惑をかけないように」と無意識に自分を律する場面が多く、自分のことはそっちのけ……という生活になっている人も少なくありません。そのため、意志力の消耗が激しい+自分の意志に向き合う時間も少ない日々を送っている世代なんです。
そのような状態で高い目標を掲げると、ある日突然「もういいや」と何もしたくなくなる。これは失敗ではなく、脳が「もう限界」と教えてくれているサインです。

続かない人ほど、目標が「大きすぎる」
目標が続かない人に共通しているのは、 実は「やる気がない」ことではありません。むしろ、
- きちんと結果を出したい
- 中途半端は嫌
- どうせやるなら変わりたい
という、まじめさと向上心を持っています。その結果、
- 毎日30分運動
- 甘いものは完全に禁止
- 毎朝5時起き
といったような、脳にとって負荷の大きい設定になりがちです。脳は「0→100」の変化をとても嫌います。だから一度崩れると「もう全部ダメ」と感じやすいのです。
続く目標を立てるために大切なこと
さて、ここからが大切です。今年こそ、脳に合った「続く対策」 を立ててみましょう。
対策① 目標は「笑ってしまうくらい小さく」
脳は「できた」という感覚を感じると、ドーパミンという報酬系の神経伝達物質を出します。このドーパミンが、「またやろう」「続けたい」という気持ちを生みます。
- 運動 → ストレッチ10秒
- 勉強 → ノートを開くだけ
- 片付け → 1個だけ捨てる
といった、「こんなので意味ある?」と思うくらいがおすすめです。それができると「もうちょっとやってみよう」と少しずつできる量が増えて、「自分の決めたことよりも多くできた!」と自己肯定感の上昇にもつながります。
対策② やる気がなくても「できる形」にする
やる気は、行動の結果として後からついてきます。先にやる気を出そうとすると、ほぼ失敗します。
- ウェアを前日に出しておく
- 本を机の上に置いておく
- アプリを開いたままにする
といった具合に、脳に考えさせない“仕組み”を作ることが大切です。私も、医師国家試験の前は、前日に机の上に問題集を開いておき「何があっても必ず9時には椅子に座る」ということだけ決めていました。
そうすると、自然と1ページ、また1ページと進みます。座って「さて、今日は何をやろう」と考えることをしなくてすむため、当たり前のように勉強を始められるのです。勉強をすることではなく、まずは教科書の開いてある机の前に座ってみる。これで無理なく、国家試験を乗り越えられたと思います。

対策③ 「できなかった日」を予定に入れる
完璧主義は、目標継続の最大の敵です。あらかじめ、
- 体調が悪い日
- 忙しい週
- 気分がのらない時期
など、こういう時もあるよね!という場面を想定しておくと、前頭前野のストレスはぐっと減ります。「できなかった=失敗」ではなく、「できないことも予定通り」と考えてみてください。この「気分が乗らない時期」というのを作るのが、一つのポイント。必ず理由があって、できないわけではないですよね。なんとなくできない日もある。
でも、それを責めてしまうとどんどんおっくうになりますし、気分が乗らないことに敏感になっていきます。ですから、そういう日もあるよな、気分が乗る日もあるから今日は気分転換しよう、くらいに思ってください。
対策④ 比較するなら「過去の自分」だけ
SNSで見る他人の成果は、 脳にとって強い刺激になります。比較が続くと、セロトニン(安心感)よりも焦りや自己否定が強まりやすくなります。しかも、SNSはみんな良い部分を切り取りますよね。そればかりを鵜呑みにしてしまうと「この人はこんなに頑張っているのに、私はこんな目標すらちゃんとできないなんて……」「もっともっと高い目標で頑張らなきゃ」と変に焦って、結局何も達成できずに終わることも。
目標の達成を支えるのは、焦りよりも1日1日の自己肯定です。ですから、人と比べるのではなく「私、昨日よりちょっと知識増えてるじゃん」「前より数分早くできるようになってる!」と、過去の自分から成長した部分を褒めてあげてください。
対策⑤ 厳しいなと思ったら思い切って目標を変えてみる
やってみたら意外と大変で時間が作れない……という時もあるでしょう。そんな時は思い切って目標を変えてしまってもOKです。そもそも何のために目標を立てたかを考え、その目的に通じるために違う手段がないか考えてみる。どうしてもその目標しかだめだと思ったら、それを達成する時間を少し長く考える。
「なんでこんなことすらできないんだろう」「なんでこんなに時間がかかるんだろう」と落ち込むかもしれませんが、今はきっと他のことも忙しかったりするのかもしれません。そんな時に何か目標を決めて頑張ろうとしていることだけでも、素晴らしいことです。

目標は自分を責めるためのものじゃない
目標は、自分を管理するためでも、評価するためでもありません。本来は、自分の人生を少し生きやすくするための工夫です。もし今「続かなかった」と感じているなら、それは「失敗」ではなく、脳に合わないやり方だっただけ。目標は、何度でも作り直していいし、小さくしてもいいし、途中でやめてもいいんです。
新年の目標は頑張る証明ではなく、自分にもっと目を向けてあげるためのもの。今の自分はどのくらい余裕があるかな?こんなことに興味があるんだ!といった具合に。
まずは自分について改めて振り返って「未来はこうなりたい!」と考えることが、目標を立てることの良い部分でもあります。その目標を達成したらば、なおさら自分を褒めてあげてくださいね。2026年も生き生きした毎日で、パラレルキャリアを楽しみましょう!










