Paranaviトップ お仕事 働き方 「地頭が悪い」から「すごい」へ評価が一変、できない自分に自信を持つ方法

「地頭が悪い」から「すごい」へ評価が一変、できない自分に自信を持つ方法

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大手IT企業で広告のプロダクトに携わりながら、パラレルキャリアとして、プロダクトマネージャーのための塾を運営している為矢明日香さん(為矢さんの記事はこちら)。今でこそ生き生きと働く彼女ですが、そこにたどり着くまでには人知れず重ねてきた苦労や経験がありました。かつてはミスの連続で自信を失ってしまっていた時期もあるという為矢さん。この連載では、彼女自身の言葉で、どうやって逆境を乗り越えてきたかを語ります。

能力がない人は自信をもてないのか?

「能力がない人が自信を持つにはどうすれば良いんだろう」

私はこの問いを9ヶ月間、毎日考えつづけたことがあります。

なぜなら、その時の私は、一生懸命働けば働くほど、ミスで周りの仕事を増やし、周りからキツく言われることでオドオドしてしまい、そしてさらにミスを増やすというループに陥ってしまっていたからです。

このループを繰り返し続けたことで、「すみません!」が口癖となり、「こんな仕事ができない私なんかが発言しても、誰も聞いてくれるわけがない」。そんな負い目を感じてしまい、次第に人ときちんと話すことができなくなってしまいました。

自分の思っていることを、人に話せないとどうなるか?

失敗した理由や考えていることがわかってもらえないため、誤解されて、より怒られてしまいます。

この負のスパイラルを繰り返し続けた私はオドオドして自信がなくなり、つらい毎日……。そんな私でしたが、ちょっとしたきっかけで、そのスパイラルを抜け出すことができました。

フィードバックに「地頭が悪い」と書かれた

「何なら自信が持てるのか?

ひたすら考えつづけた結果、能力で自信が持てる部分は何もないことに気づきました。客観的に見ても能力が低かったからです。

どのくらい低かったかというと、新卒が1ヶ月でクリアする研修に、9ヶ月かかっていたくらいです!(最長記録保持者!)

フィードバックには「地頭が悪い」という指摘も並び、こんな私はいったいどこで自信を持てばよいのか。

「○○ができるから、私は自信があります!」の○○がまったくないことに絶望。

無理やり見つけて「○○ができます!」と言ったところで、当時の私に説得力などなく、誰も聞いてくれないということは目に見えていました。

「誰から責められても、自信を持てる根拠が欲しい」

9ヶ月間、休日も旅行中も、ひたすらそのことを考え続けた私がたどり着いたのは、「愛する」という気持ちなら、誰になんと言われても貫けるのではないかという視点でした。

「私は○○ができるから自信があります」のではなく、「私は○○への愛情には自信があります」

この気持ちに自信が持てたら、誰に何と言われおうが堂々と行動できるのではないかと思ったのです。

能力はないが、やっていることへの愛はある

ハートが書かれた紙

「自分は何を愛せるのだろう?」

この視点を持って仕事をするようになってから、それまで灰色だった目の前の仕事が急に色づいて見えはじめました。

毎日怒られつづけながらやっていたタスクのなかから、少しでも自分の心が動くものがあったらメモをとり、「その仕事を増やすにはどうすればよいか」を考えつづけました。

最初の心が動いたタスクは、「営業さんへの報告メールの文章のストーリーを考える」という本当にささいなことでした。

言われたことをただただこなし、毎日灰色のタスクに埋もれながら生きていた私はその日から自分の心が少しでも踊るような“色がついた”タスクを見つけては、誰に言われなくてもそのタスクを追加でやるようになりました。

例えば、データを見て自分なりに考えたユーザーペルソナを報告資料に追加で入れてみるとか、そういったことです。

以前の私は、なるべく目立たず、怒られないように、「何も結果を出していない私なんかが」と自分で自分の行動をしばっていました。

でも、この時から「能力はないかもしれないけど、やっていることへの愛はある」という最強の論理を手にいれたので、誰にも評価されずに自信がなくなったときは「だって心が踊るから」と言い聞かせて追加でタスクをやり続けました。

それを続けると、どうなったか?

追加でやり続けていたことが、ほかの人の目にとまって、それが活きる仕事を任せてもらえるチャンスが回ってきたんです。

そのチャンスのときは全力投球しました。

前からずっとやってきたことだったし、愛情があるからほかの人より頑張れた。

ついに、ついに結果が出ました。

結果が出たら、周りの見る目が「ダメなやつ」から「すごい」に変わってました。「地頭が悪い」と言ってきた人から「すごい」と言われました。でもそんなことはその時の私には、もうどうでも良くなっていたんです。私は自分の人生の愛することを増やして、自分で評価して生きていく、とその時に心に決めました。

どんな状況でも人は自分を支える核を築いていける

「能力がない人が自信を持つにはどうすれば良いんだろう?」

この問いから始まって、目の前のことから「愛せること」を見つけて、“「愛する」気持ちに自信を持とう”プロジェクトは、結果として、灰色だった私の仕事や人生に色をつけてくれました。

まずは「目の前の作業の中から愛せることを探す」。そのために日々のたくさんの出来事の中から、ちょっとした心が踊るワクワク感に気づいていく作業を積み重ねる。

はたから見ると、苦労の連続で大変な人生かもしれませんが、目の前のことから愛するものを探す作業を積み重ねることによって、私は色鮮やかな世界を日々生きています。

どんな環境や状況でも人は「周りの環境」や「能力の有無」ではなく、自分の心の中から、自分を支える核を築いていけると、私はこの経験から信じています。

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為矢明日香
Writer 為矢明日香

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