Q.「在宅期間中にスキルアップしようと思っても、結局目の前の仕事に追われてしまいます。坪井さんはどうやって自己投資の時間を作っていますか?」 (みゆきさん)
A.「スキルアップは“デスク”でなく、“現場”で起きている!」。すべきことより、“やめること”を決めよう。
こんにちは。「パラキャリお悩み相談室」の連載を担当している坪井安奈です。2013年に新卒で入社した出版社を退職し、編集者/タレント/PRとしてパラレルキャリアを始めてから7年。(坪井さんのインタビュー記事はこちら) この連載では、私がこれまで感じてきたパラレルキャリアの実情や経験を赤裸々にお伝えしたいと思います。
わかっていても時間を作るのは至難の業
さて、今回はスキルアップに関するご相談。緊急事態宣言が解除されてからも在宅勤務を継続する企業は少なくなく、いよいよリモートワークが新しい選択肢の1つになろうとしていると感じます。通勤時間などが減った分、本を読んだり、勉強できる時間が増えたという声も多いですよね。
一方で、在宅勤務の有無に関わらず、思うように自己投資の時間を作れないという方もいると思います。私も正直、時間の管理は得意ではありません。時間が限られていることは十分にわかっていても、自分自身の弱さや外的要因によって、なかなか難しかったりしますよね。
今回はそういった方に、私の時間に対する考え方を2つシェアさせていただければと思います。
日常のあらゆるシーンがスキルアップの場
1つ目は、「スキルアップは“デスク”で起きてるんじゃない!“現場”で起きてるんだ!」という考え方です。
そう、まさに某・刑事映画の名シーン「事件は“会議室”で起きてるんじゃない! “現場”で起きてるんだ!」の状況です(笑)。
ビジネスでの“現場”とは、つまりは日々の仕事でのアウトプットや経験。“アウトプットが最大の成長の場”だというのはよく言われますよね。その考え方をスーパーポジティブに解釈し、自分自身に起こる日常のあらゆる出来事を“スキルアップの場”だと捉えるようにするんです。会議でのちょっとした発言も、急にお願いされた面倒なタスクも、逃げたくなるような恥ずかしいミスも。すべて自分自身のスキルアップの場だと捉えて、それぞれに取りかかる際に“プラス5分”自分のために時間を使います。この5分で特別なことをする必要はありません。シンプルに、「この経験が自分にとってどんなスキルアップになり得るか?」と考えて、5分だけ回り道をするんです。
そうした日々の積み重ねで少しずつ溜まったスキルは、将来的に大きな差を生むと私は信じています。デスクの前に座って、「いざ!」と取り掛かることだけがスキルアップではありませんよね。
大事なのは“やらないこと”を決めること
とは言ったものの、みゆきさんのように目の前の仕事に追われたり、膨大なタスクを抱えてそれどころではないという方もいると思います。そこで、もう1つシェアしたいことがあります。
実は、私は一人でゴロゴロするのが結構好きで、その時間を削られるとストレスになってしまうマイペースな性格です。「パラレルキャリアを謳っているのに、そんなにマイペースでどうするの?」と思われるかもしれません。でも、私はゴロゴロするのが好きだからこそ、“時短”も大好きなんですよね。もはや趣味みたいになっていて、時間を効率的に使えた時の喜びがハンパなく大きいんです(笑)。
簡単なことだと、家事などはすべて“ながら”でしています。たとえば、食器洗いはインプットの時間と決めて、お皿を洗いながらYouTubeを見てインプットの時間にしています。また、日々のSNSチェックは、最近のマーケットやトレンドのリサーチも兼ねているという心構えで見たりもします。隙間時間ではありますが、習慣にすると自己投資として積み重なっていきます。
ただ、究極の時短は“やらないこと”を決めることです。
5年ほど前、ある経営者の方にインタビューをした際に、「タスク管理とは、やることを箇条書きにすることではなく、やらないことを決めることだ」と伺ったことがありました。当時、私は1日の始めに“その日すべきこと”を細かく書き出して時間に追われていたので、目から鱗でした。
コロナ禍での最大の気づきは「本当に必要なもの」と「実は不要だったもの」の境界線がはっきりとしたことだと思っています。これを機会にぜひ、すべきことより“やめること”に目を向けてみることもオススメです。
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坪井安奈(つぼいあんな)● ヒト・モノ・コトの魅力を伝える、複業複住タレント。新卒で入社した小学館を25 歳で辞め、編集者/タレント/PRとしてパラレルキャリアを始めて7年。29歳でシンガポールへ移住。毎月、海外を訪れる“月 1 海外”生活中。