ウェブデザイナーとして会社員、講師、フリーランスとして活動し、さらに3歳と5歳の娘をもつ母でもある、スーパーパラキャリの菅家郁美さん。地方の女性が抱えるリアルなお金の問題や、仙台で始めた新しい働き方について聞きました。
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Uターンで再発見!仙台で”デザインの仕事”が魅力的なワケ
――現在のお仕事スタイルを教えてください。
――2019年3月から宮城県にUターンして、在宅勤務という形になったんでしょうか?
菅家
――やはり、子育て環境を考えると地元が安心ですよね。
菅家
-子育て以外にも地元(宮城県)で働く理由は何ですか?
菅家
「宮城にデザイナーの仕事をもっていきたい」と思っていて。向こうは、最低賃金が安いからお給料も安いんですよね。時短勤務になるとそこからさらに下がってしまい、パートのお給料くらいになっている人も多くて。なので、ウェブとかの仕事を持っていたらこちらでもできるし、関東圏の仕事ならそれなりに単価が高いからいいんじゃないかなと思って。自分が宮城で働くにしても、ほかの仕事に転職するんじゃなくて、ウェブデザイナーやエンジニア、プログラマーに関われる仕事ができたらいいなと思っていました。
あと、ウェブデザインってお母さん向けだなと思って。PCさえあればどこでもできるんですよね。しかも、原価がかからないから始めるハードルも低いなと。お金も、バナー単価って1つ5,000円が相場なんですけど、内容にもよりますがスタンダードなものなら1時間くらいで作れるんですよ。自宅に居ながら、子どもが寝た後とかに1時間仕事して5,000円もらえたらかなり大きいですよね?
――それを聞いて私もやりたくなりました(笑)。デジタルハリウッドでトレーナーを始めようと思ったのも地方ならではの理由ですか?
菅家
地方だと仕事が地元にないので、近隣の市まで車で1.5時間とかかけて通勤するのが普通なんです。ただ、震災や自然災害を考えると結構危ないなと思っていて……。もともと、デザイナーの仕事は、在宅でもできるし地方に合う!と思っていたので、今回、縁あって仙台という関東にもアクセスのいい土地に引っ越してきたし、元々デザイナー育成に携わりたかったので何かやってみようかなと思ったのがきっかけですね。
授業自体は、基本的にオンライン学習なので、生徒さんは自宅で映像を見ながら進めてきてくれます。わからなかったところをトレーナーに質問するというスタイルなので、会社の仕事をやりながらできていますね。あと、本業の採用活動をやっていると、トレンダーズにはデザイナーがいると認知されていないのでは?と感じることが多いので、私がデジハリの講師になることで啓蒙できたらなという気持ちもあります。
パラレルキャリアで得たスキルは自分に還元される
――会社にも還元できるということですね。仙台では自治体のお仕事もされてるんですよね?
菅家
――パラレルキャリアでデザイナーのお仕事をされることで身についたスキルはありますか?
菅家
会社の仕事では、メディアのデザインをやることが多いのですが、それ以外の装飾の多い派手なデザインが経験できたりするので、自分の引き出しがどんどん増えていく感覚がありますね。また、デジハリで生徒さんに教えるために、もう一度勉強をし直すなど、自分の情報収集の幅・質が変わったおかげで、本業に活かせている部分もありますね。
あとは、トレーナーという仕事柄、どこでつっかかるかなとか、これをやるときにどう検索したら答えが出てくるのかなとかを色々試しますね。それを、どう伝えたらわかるかなと模索していたら、別の仕事でディレクションしているときも、プログラムを詳しくない人への説明の仕方が自然とわかるようになりました。
――常に勉強されているから菅家さんのデザインは素敵なんですね……!
菅家
後編につづく
菅家 郁美(かんけ いくみ)● 新卒で宮城県仙台市の印刷会社にデザイナーとして入社。その後、トレンダーズ株式会社に転職。デザイナーとして活動しながら、2019年3月に宮城県にUターン。その他、個人でのフリーランスやデジタルハリウッドSTUDIO仙台で講師としても活動中。2児の母。
菅家