Paranaviトップ お仕事 メンタル 「これが普通」なんてない!好奇心旺盛な大人のADHD、活躍できる仕事とは?

「これが普通」なんてない!好奇心旺盛な大人のADHD、活躍できる仕事とは?

SHARE

Xでシェア Facebookでシェア LINEでシェア

上司に空気が読めないと言われたり、なかなか人の考えていることがわからなかったり……。自分でも仕事相手でも、もしかしたら「大人の発達障害かも?」と思ったことはありませんか? 前回は、一つのことにこだわりを強く持つというASDについてご紹介しました。今回は、ADHDとLDについてご紹介したいと思います。発達障害と一口に言っても、仕事に活かせる長所もたくさんあります。

じっとしていられない、それって「ADHD」かも?

数年前に、モデル、タレントの栗原類さんが公表して有名になったADHD。日本語では「注意欠陥性多動性障害」と訳されます。名前の通り、注意力が欠けている、多動性や衝動性が強い、といったところに現れます。人によって、強く出る症状が違うので、一概に同じ症状が見られるとは言えませんが、こんな症状があったらADHDの可能性がある、という項目を挙げていきましょう。

1.不注意

  • 分かっていても提出物などの締め切りが守れない
  • いろいろなことに気を取られ、一つの物事に集中できない
  • 他のことを頼まれると、前のことをすっかり忘れていることがある
  • 一気にいろいろなことを頼まれると、優先順位がつけられない
  • 忘れ物が多い
  • なくしものが多い
  • 部屋やデスクの上の片付けが下手

2. 多動性、衝動性

  • そわそわと手足を動かす
  • 貧乏ゆすりが多い
  • 話している時でも、ペンなどを常に触っている
  • じっと座っていられない
  • 相手の話している途中でも構わず話す
  • 思ったことをすぐに口にする
  • すぐにイライラしたり感情が制御できない
  • 単調な作業が苦手

小さい頃、教室内で授業中でもじっとしていられず、席を立ったり、走り回ったりしていたといった思い出があったらこの可能性があります。また、人によっては睡眠に障害が出ることも。

ADHDは決して悪いことだけじゃない

「障害」という言葉がついているとなんとなくマイナスのイメージがついてしまいますが、決してそんなことはありません。ADHDを持っていて、社会で活躍している人はたくさんいます。「SEKAI NO OWARI」のfukaseさんや、ハリウッドスターのウィル・スミスさんも発達障害を公表しています。彼らは、ADHDの特徴を短所として扱うのではなく、自分の個性であり、むしろ秀でているところとして上手く活かしているといえるでしょう。では、ADHDの人が持つ長所を上げていきましょう。

  • 独創性に富んでいて人が思いつかない発想ができる
  • 好奇心旺盛
  • 行動力がある
  • 自分の好きな分野にはとことん集中できる
  • 物事を即決できる決断力の持ち主

こう言ったことが挙げられます。これらの特徴を考えると、クリエイターや芸術家などは大変向いていると言えますし、パラキャリを目指すには、好奇心旺盛で色々な方面にアンテナを巡らせることができるのはとてもプラスなことではないでしょうか。集中力がないということは、裏返せば、マルチタスクをどんどんこなすのに適しているとも言えます。

実際、現代社会はSNSも発達していて、会社に勤めるという働き方以外に活躍できる道もあり、個人で仕事をしている方も多くいらっしゃいます。自分に合った環境さえ見つけられれば、全力で活躍できるのがADHDなのです。

特定の事柄が苦手な「LD」とは?

本とメガネ

発達障害の中では、少し耳慣れない種類かもしれません。日本語では、「学習障害」と呼ばれます。最近は、SLD(限局性学習障害)とも呼ばれます。

基本的に、全般的な知的発達に遅れはありません。しかし、「読む」「書く」「計算する」など、ある特定の学習に対してのみ習得することが著しく困難である、というものです。原因としては、中枢神経系に何らかの機能障害があると推定されますが、まだはっきりとはわかっていません。決してその人の怠慢ではないのですが、この概念が浸透しておらず、学生時代に困った方もいるかもしれません。学習障害(LD)の分類としては、「読字障害(ディスレクシア)」「書字表出障害(ディスグラフィア)」「算数障害(ディスカリキュリア)」などさまざまなタイプがあります。

このLDも、実はすごく有名な俳優さんが公表して一時期話題になりました。ハリウッドで長年活躍しているトム・クルーズさんです。彼は俳優にも関わらず、台本を読んで覚えることができない、ということで録音して耳から覚えていると言っています。

〇〇するべき、これが普通、という概念なんて必要ない!

昨今では、人によって色々な働き方があります。パラレルキャリアも一昔前では尊重されなかった働き方かと思います。ですが、今はパラキャリだからこそできることある、活かせることがある、と多くの会社が容認するようになりました。

私自身、発達障害の診察に来た方に対して、必ず伝えることがあります。それは、人間一人一人にはみんな個性があって、発達障害の方は、その個性が人よりも少しだけ強いに過ぎないということ。だからこそ、自分の得意分野を見つけることができたら、それは人一倍の強みになるということ。だから、その可能性をとことん追求してほしい。会社に長く勤めることも素晴らしいです。でも、それ以外の働き方があったっていいし、少なくとも私は、いろんなことを好奇心に任せて追求してすごく楽しい人生を送っています!

いわゆる会社的な働き方=「デスクに向かってエクセルを入力し続ける」「上司に言われた通りに資料を作る」「毎朝同じ時間に出社する」といった仕事のやり方では、上手く結果が出せない、向いていない、と悩んでいる人も少なくないかもしれません。でも、悩んでいたってもったいない! 自分に合った働き方が必ずあるはずなので、自分らしい働き方ができるキャリアにぜひ挑戦してみてください!

SHARE

Xでシェア Facebookでシェア LINEでシェア

Keyword

木村好珠
Writer 木村好珠

VIEW MORE

Page Top