ここ数年、パラレルキャリアを始める人が激増しています。でも、請求書の整理や帳簿つけ、そして確定申告のやり方がわからず不安を感じている人が多い様子。そんな私たちの救世主が、会計・確定申告ソフトです。「いろんなサービスがあって、よくわからない……」「結局どれが使いやすいの?」という声にお応えすべく、代表的なクラウド型ソフト5つを徹底比較してみました。年間で1万円を超える有料版からずっと無料で使えるプランまで、いろいろありますので、自分にぴったり合うものを見つけてください。
※2021年の確定申告は、2月16日(火)〜4月15日(木)です。お忘れなく!
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まず知りたい、会計ソフトの「2つのタイプ」
ソフトには大きく分けて「クラウド型」と「インストール型」があります。クラウド型は、会員登録してIDとパスワードなどでログインして使うタイプ。データはクラウド上に保存され適宜バックアップがとられているので、いろいろな場所やデバイスで使えるし、PCが壊れたり買い換えたりしても使い続けることができます。アップデートも自動で行われるので手間がかかりません。一方で月・年単位で利用料がかかる「サブスク型」なので、使い続ける限りランニングコストがかかります。
一方のインストール型は、自分のPCにインストールして使うタイプ。買い切り型なので、一度買ってしまえば追加費用がかからない点は安心です。一方で、デバイス数に制限があったり、手動でアップデートをしないといけないなど、手間がかかる面があります。またWindowsにしか対応していないケースもあるので、買う前に自分の環境に合っているか確認する必要があります。
この記事では、場所やデバイスにとらわれずに使えて便利な「クラウド型」のソフトのうち、スマホ対応・Mac対応もバッチリOKな5つを比較していきます。
① 会計freee(フリー)
絶大な知名度を誇る「freee」の個人向けソフト。いちばんの特徴は、「簿記の知識0でもできる簡単さ」です。請求書から納品書、確定申告書までぜんぶ、ガイドに沿って入力していけばラクラクつくれる、超親切なデザインがfreeeのこだわりです。質問に○×で答えていくだけで確定申告書ができあがるというのも、確定申告初心者にありがたいポイント。電子申告(e-Tax)を、freeeの画面内で完了できるのも操作性◎です。もちろん、青色申告・白色申告のどちらにも対応しています!
帳簿つけに便利な機能として、銀行口座やクレジットカードから自動で利用明細を取得し、勘定科目まで推測して入力してくれる機能があります。1つ1つ入力する手間がいらないし、入力ミスする心配も不要。スマホアプリを使えば、スキマ時間にも作業できちゃいます。さらにスタンダードプラン以上では、スマホでレシートや領収書の写真を撮れば、日付や内容を読み取って帳簿に反映してくれます。
会計freee(フリー)
- 簿記の知識がなくてもできる、超簡単デザインが特徴
- 月額980円〜、最上位プランでも3000円代(税抜)
- 請求書から納品書、確定申告書まで網羅
- Mac環境からでも、freeeの画面内でe-Taxを使える
- 白色申告と青色申告の両方に対応
② マネーフォワード クラウド確定申告
マネーフォワードの個人事業主向けサービスです。ほかにないメリットは、家計簿アプリ「マネーフォワード ME」との連携ができること。IDもそのまま使えるので、マネーフォワードユーザーにはうれしいですね。「freee」と同じく、銀行口座やクレジットカードの利用明細と連携可能。AIがビッグデータをもとに勘定科目を推定するしくみなので、使えば使うほど精度が上がっていきます。マネーフォワードのアプリか、e-Taxソフトを使えばe-Taxにも対応可能。なお2021年2月現在、Mac OS ではe-Taxソフト自体を利用できませんので、アプリが必須となります。
プランは3つありますが、最安が「パーソナルミニ」プランの月額960円(月額プランの場合)。取引先登録は15件まで、自動請求書作成はできないなど制限がありますが、初心者には十分な内容です。なお、最上位プラン「パーソナルプラス」プランでも月額2980円とコスパばっちりです。どのプランでも、マネーフォワードのほかのサービスとセット販売されているので、請求書作成や経費管理など、確定申告以外の機能も使えます(一部従量課金あり)。
マネーフォワード クラウド確定申告
- 家計簿ソフト「マネーフォワード ME」と同IDで連携できる
- 月額960円〜、最上位プランでも3000円未満とリーズナブル(税抜)
- 金融機関と同じ水準の厳重セキュリティ
- マネーフォワードの各サービスと連携できる
- 白色申告と青色申告の両方に対応
③ やよいの白色申告 オンライン
30年以上の歴史を持つ老舗メーカー・弥生が、個人事業主向けにつくったクラウドサービスです。白色申告用、青色申告用でそれぞれ専用の商品になっているのが大きな特徴。「白色申告」のいちばんのメリットは、サポートなしプランなら、すべての機能をずっと無料で使えることです。「とにかく確定申告を済ませたい!」という初心者におすすめです。
システムには日本マイクロソフトの「Microsoft Azure™」が使われていて、プロのセキュリティエンジニアが万全のセキュリティを保っています。もちろん銀行口座やクレジットカードとの連携、自動仕訳、レシートからのデータ読み取りなども可能。e-Taxでも、本来より少ない手順で確定申告を完了できます。有料プラン2つは8,000円、14,000円(ともに通常価格)と少し値段が張りますが、困ったときに老舗の電話サポートを受けられる安心感は大きいですね。
やよいの白色申告 オンライン
- 30年超の老舗メーカー「弥生」の安心感
- 最安プランなら、全機能がずっと無料!
- 有料プランでは、業界最大規模のカスタマーセンターがサポート
- 今なら割安で「青色申告ver」にアップグレード可能 ※次の章で紹介します
- 日本マイクロソフトのシステムを導入、セキュリティ万全
④ やよいの青色申告 オンライン
白色申告verよりも機能が増えた、青色申告verがこちら。簿記を詳しく知らなくても、これを使えば最大65万円の青色申告控除を受けられます。なお今回(2020年分)の確定申告から税制が変わっていて、青色申告特別控除を受けるにはe-Taxでの確定申告が必要になっていますので要注意! 白色申告verと同じく、上位の2プランでは電話でのサポートも受けられます。オペレーターは業界最大規模の「741席」もいて、いざというときに頼れる安心感があります。
現在、白色申告verから、無料または特別価格で青色申告verにアップグレードできるキャンペーンが行われています。2021年12月31日までに申し込んだ「やよいの白色申告 オンライン」ユーザーが対象。青色申告は複式簿記で難しかったり、簿記の知識がないとできないイメージがありますが、メリットもたくさんあるので、フリーランスの人はぜひやってみてください。3月15日までに「青色申告承認申請書」を管轄の税務署に提出すれば、2021年分(次回)の確定申告から青色申告にチェンジできます。
やよいの青色申告 オンライン
- 30年超の老舗「弥生」の安心感
- 最安プランは1年間無料でお試し可能
- 上位プラン2つも、初年度半額で利用できる
- 上位プランでは、業界最大規模のカスタマーセンターがサポート
- 日本マイクロソフトのシステムを導入、セキュリティ万全
⑤ 番外編:Misoca
最後にご紹介するのは、同じく「弥生」が展開しているクラウド見積・納品・請求書サービス「Misoca」(ミソカ)です。上の4商品のように確定申告や帳簿つけをするサービスではなく、スマホからでもかんたんに、きれいな見積書、納品書、請求書をつくることに特化したソフトです。特に、毎月同じ宛先に出している請求書がある人には「自動作成予約」機能が超便利。請求書を定期的に自動でつくってくれるので、うっかりの請求漏れを防げます。また「やよいの白色申告 オンライン」「やよいの青色申告 オンライン」はもちろん、「マネードワード クラウド確定申告」「freee」とも連携可能です!
プランは3つあり、月あたりの請求書数が「5通以内」ならなんと無料で使えます。見積書、納品書の作成は無制限なので、パラキャリ初心者ならこれで十分かも。15通、100通と、月あたりの請求書数によってプランがアップグレードしていきます。今は初年度無料キャンペーン中なので、お試しで使ってみるのもいいですね。
Misoca
- 請求書「月5通まで」なら無料で使える
- スマホからでも書類作成できる
- 請求書の自動作成予約ができる
- 「弥生」シリーズ以外のソフトとも連携可能
- 有料プランなら、請求書の郵送も可能
まとめ
自分にぴったりなものはみつかりましたか? 特定の業界向けや小〜中規模企業向けのものを含めると、この5つ以外にもたくさんのクラウドサービスがあります。飲食店向けの「HANJO会計」、全国商工会が提供している「ネットde記帳」、小規模事業者〜中堅企業向けの「かんたんクラウド」、「勘定奉行クラウド」、「クラウド発展会計企業版」などなど……。どれにしても、一度使い始めるとほかのサービスに乗り換えるのは手間がかかるので、無料体験期間を使ってよく吟味しましょう!