日本の平均寿命は延び続けており、私たちは「100年生きること」を前提に、仕事や働き方を考えなければいけません。
そこで長く働くなら、『もっと自由に、自分のスキルを活かしたい』と、特定の会社や組織に属さない「フリーランス」への転向を目指す人も増えています。
サービス登録者の5人に1人は年収1,000万円超えを実現している、フリーランス専門のエージェントサービス「エミリーエンジニア」に携わる女性社員4名にインタビューを実施。
ケアチームとして、フリーランスをトータルサポートする3名の方とマーケティング担当の方から、働き方はもちろん、とくに女性フリーランスが成功し続けるコツを伺いました。
Contents
取材先
株式会社ビスタクルーズ
Vista Cruise Inc.
株式会社ビスタクルーズ
Vista Cruise Inc.
Profile
株式会社ビスタクルーズが運営する、フリーランス専門のエージェントサービス。
独自のネットワークを活用した多彩な案件を保有。
登録者の4人に1人がフリーランス未経験者であり、利用者へのサポート体制が充実。
2007年の創業以来、人材不足に悩む企業と多様な働き方を望むフリーランスに対して、最適な支援を提供している。
『大切な人生』に寄り添う存在でありたい
――2021年現在、10年以上の運営実績をお持ちの貴社の強みを教えてください。
田口さん:私たちの強みは、幅広い技術をもつフリーランスの方に案件の提案ができる点です。
とくに、コンサルタント案件の取り扱いが豊富です。
実際、利用者の4人に1人はフリーランス未経験の方が多く、利用者の2人に1人はSES出身です。
SESとは
- 「システムエンジニアリングサービス」の略で、業務委託の1種
――フリーランスITエンジニアのボリュームゾーンは、「30代~40代」というイメージがありますが、貴社で最も活躍されているフリーランスの方の年代分布を教えていただけますか。
森岡さん:弊社では30~40代の方に限らず、20代前半~50代と幅広い年代の方がご活躍なさっています。
――かなり幅広い年代の方がご活躍なさっていますね。
20代前半だと、最初からフリーランスとして活躍なさるという方が多いのでしょうか。
森岡さん:利用者の多くは、会社員として一通りの経験を積んだのち、技術力を高めてフリーランスに転向なさっています。
早川さん:会社員としての実務経験年数は年齢にかかわらず、ご本人の能力によって異なります。
弊社では会社員としての実務経験が浅い方でも、丁寧にスキルの整理を行うので心配ありません。
実際に、弊社に登録した時点でエンジニア歴が約1年半と短い方でも、案件獲得につながっています。
私たちは、履歴書に記載された実務経験年数などの単純な数字だけではなく、詳細な経歴やその人自身を丁寧に見ることで、最適な案件のご提案を心がけています。
また、利用者の方と面談する際は、常に相談者の方の「大切な人生」に寄り添う気持ちをもって対応しています。
利用者1人1人の希望を盛り込み、その希望を叶えたい
――「フリーランス」と聞くと、『即戦力人材』というイメージが強いのですが、実務経験がない分野だと案件を受注するのは難しいのでしょうか。
早川さん:実際、多くの利用者の方が「新しい分野に挑戦したいけれど、実務経験がないから受注しづらい」と悩んでいます。
たしかに、未経験の分野は経験が豊富な分野に比べると、案件を受注しにくいのは事実です。
しかし、保有案件の多い企業で経験や信頼を築き、同じ企業の別の案件で自分が関わりたい分野に挑戦するという方法があります。
その際は、未経験の分野を現場でキャッチアップした実績をアピールするのが効果的でしょう。
また、スキルシート(職務経歴書)にご自身のセールスポイントを盛り込むことが大切です。
弊社では、記載フォーマットや効果的な記載例などのご用意しています。
私たちはそういった方の1人1人の希望を盛り込み、その人の希望を叶えたいと考えています。
――とくに女性フリーランスITエンジニアとして活躍なさる方から、多く寄せられる悩みや不安はどのようなものが多いと感じますか。
早川さん:自由度が高いイメージのフリーランスですが、じつは休暇が取りやすい案件の相談や、お子様の送り迎えを考慮した形での案件参画に関する相談が多いです。
実際、男女問わず、お子様のいらっしゃる多くのエンジニアの方からは、「残業は少なめで、家庭を優先したい」とご相談をいただきます。
そうした方のために、案件に応募する段階でご家庭の事情を募集企業にお伝えし、稼働可能な時間を調整しております。
仮に就業期間中にやむなくお休みを取得した場合でも、基準となる1か月間の作業時間を満たせば、収入へ影響を及ぼさずに契約できます。
また、将来的には弊社で運営している探究型学童の「エミリーキッズラボ」を拡張し、登録者の方のお子様をお預かりするなどの連携もできたらと考えております。
――女性は妊娠、出産などのライフイベントも多くあるかと思いますが、とくに技術進歩が早いといわれるIT業界で、女性フリーランスITエンジニアとして長く働き続ける秘訣はありますでしょうか。森岡さん:妊娠や出産による休職は避けられないので、その際は復帰に備えて準備をすることが大切です。
また常に最新技術にアンテナを張り続け、知識や経験が途切れないようにするのがよいと思います。
たとえば、クラウドソーシングサービスで仕事を請け負ったり、仕事を請け負えない場合は、成果物をGitHub(ギットハブ)などにアップしたりするのがおすすめです。
休職期間中にやっていたことがあると、職務経歴書でもアピールしやすいです。
フリーランスとして成功するコツは「準備期間を設けること」
――フリーランスは会社の後ろ盾がない分、収入面で不安を感じる方も多いかと思います。
フリーランスとして収入を安定させるためのコツなどはございますか。
高橋さん:フリーランスとして収入を安定させるためのコツは以下の3つです。
- 長期参画が前提の案件に入ること
- ブランクを作らず、コンスタントに案件に参画すること
- フリーランス向けの所得補償制度を利用すること
なぜなら長期で案件に参画していると、技術や人柄において採用企業側からの信頼を得やすいからです。
また、案件をコンスタントに受注するためには、余裕をもって案件を継続する意思を決めたり、複数のエージェントに登録したりしておくとよいでしょう。
弊社ではフリーランス協会の所得補償制度に協賛しており、有償ではありますが、個人で加入するよりもお得にご利用いだたけます。
病気やケガなどの万が一に備えて、任意加入しておくのもおすすめです。
――フリーランスITエンジニアの働き方が向いているのはどのような方でしょうか。
早川さん:フリーランスのITエンジニアの働き方が向いているのは、以下の3つの特徴がある方です。
- キャリアビジョンがあり、それに合った仕事をしたい人
- 会社の業績などに左右されず、自分のスキルや経験で収入を増やしたい人
- IT技術が好きで、自分の知識を様々なプロダクトに役立てたい人
技術の活かし方や、実現させたい将来像が明確な人は、フリーランスの働き方が向いていると思います。
――将来的にフリーランスとしての働き方を検討している場合は、まず最初にどのような準備をしたら良いかを教えてください。
早川さん:フリーランスとしての働き方を検討している場合、とくに以下の2つのポイントを意識していただきたいです。
- フリーランスになる時期を検討する
- フリーランスとして、仕事を獲得するための準備をする
――1つ目のポイントの『フリーランスになる時期』はどのように決めたらよいのでしょうか。
早川さん:フリーランスは「即戦力」としての活躍が期待されるので、企業での実務経験が大切です。
しかし、年齢が高くなりすぎても、新しい技術へのキャッチアップや、現場エンジニアとの調和の取りにくさを懸念され、不利になる面もあります。
実務経験を増やしつつ、年齢とのバランスや、現職でキリの良いタイミングを見極め、独立する時期を決めるのがおすすめです。
――2つ目のポイントの『フリーランスとして、仕事を獲得するための準備をする』のは、いつから始めるとよいのでしょうか。
早川さん:フリーランスとして仕事を獲得するための準備は、在職中に始めた方がよいでしょう。
なぜなら、在職中だとエンジニアとしての経験を会社で日々積めるので、フリーランスとして独立した際に選べる案件の選択肢が広がるからです。
なかには、すぐに案件へ参画できないことを理由に、フリーランス向けのエージェントサイトへの登録をためらう方も多いかもしれません。
しかし、「フリーランスとして就業する第一歩」として、在職中に自分のスキルや経歴で得られる案件の単価を知り、収入の目途を立てることが大切です。
フリーランス向けのエージェントサイトへの登録は、フリーランスになるための準備の1つとして、ご活用いただいて問題ありません。
また、ライフステージに合わせたキャリア形成や、就業に関して悩みや不安がある方は、エミリーエンジニアが実施する個別相談会で気軽に相談してください。