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食用バラに魅了されて、農家に弟子入り!ROSE LABO代表・田中綾華さんの「人生をかけて夢中になれるもの」との出会い

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ROSE LABOが埼玉県深谷市の農場で栽培しているのは、農薬不使用の「食用バラ」。生産から商品開発、販売まで一貫して取り組む「6次産業」として注目を集めています。「やりたいことが見つからず、なんとなく毎日を過ごしていた普通の大学生だった」と話すのは、代表を務める田中綾華さん。もともと農業の「の」の字も知らなかった田中さんが、大学を中退して大好きなバラの世界に飛び込み、ROSE LABOを起業、人気の食用バラブランドを築くまでの道のりを聞きました。

優秀な同級生たちが刺激に。大学を中退して「バラ園へ弟子入り」

――もともと、起業家志望ではなかったんですよね。

そうなんです。大学に入ったばかりのときはむしろ、やりたいことが見つからず、自分が何をしたいのかわかりませんでした。

気持ちが変わったのは、大学1年生の春に行われたゼミの発表会。優秀な同級生たちを目の当たりにしたとき、今まで味わったことがない劣等感がありました。夢や目標に向かって努力している人を「意識高い系」と言って笑う人もいるけど、私の目にはみんなが輝いて見えましたし、「私、今のままじゃダメだ」と奮い立たされました。

彼らのように「自分が熱中できること」は何だろうと考えたとき、頭に浮かんだのが“バラ”だったんです。

――田中さんにとって、バラはどのような存在なんでしょうか。

家族にバラ好きが多く、小さいころからリビングに飾ってあったり休みの日にバラ園へ行ったりと、いつも身近な存在でした。私自身、バラの形も香りも大好きなので、これなら人生をかけて向き合えると思ったんです。

いろいろ調べるうちに、バラを育てるには高度な技術が必要だとわかりました。技術を習得するには早ければ早い方がいい。ならば「大学をやめて今すぐ修行に行こう」と思い、大学2年生のときに退学届を出しました。

――大学を中退すること、家族からは反対されなかったんですか?

最初は心配されましたし、みんなわりと否定的でしたね(笑)。でも、それまでの私にはやりたいことがなかったということも、みんな知っていたので。ようやく熱意を持てるものを見つけた私を見て、最終的には応援してくれるようになりました。

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住み込みで2年間働いたあと、独立

――住み込みで働くことになった大阪のバラ農家は、どうやって見つけたんでしょう。

特にツテもコネもなかったので、Googleで「バラ園 求人」って検索して見つけました(笑)。農家の方には「若い人が農業やりたいなんて、珍しいね」と驚かれましたが、慢性的な人手不足もあって、すぐに採用してもらえました。

――大好きなバラに携わるとはいえ、農業は体力的にハードなイメージです。

基本的に朝が早くて体力仕事ですからね。「思っていた農業と違った!」と、短期間で辞めてしまう人も少なくありません。もちろん私も農業は未経験でしたから、初めはかなり苦戦しました。3000本のバラを枯らしちゃった苦い記憶も……。でも、辞めようと思ったことはありません。それだけバラに熱中していました。

――2年ほど働いて、なぜ独立しようと思ったのでしょうか。

働いているうちに、バラにはビタミンやポリフェノールなどの美容成分が多く含まれていることを知りました。SNSなどを使って、バラの魅力をもっと世の中に発信したいと思い、師匠に提案したんです。でも「農家はそんなチャラチャラしたことはしない。いいものをつくるのが私たちの仕事だ」と反対されてしまい……。

じゃあ「自分の力で発信しよう」と、独立してROSE LABOを立ち上げたんです。そのとき22歳でした。

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農業で新規開拓する難しさ

――農業で、しかも22歳の若さで起業するのはとても珍しいですよね。

今でこそSNSが普及して農業もだいぶ間口が広くなりましたが、私が独立した2015年は、まだまだ新参者に厳しい世界でした。

ただ当時は怖いものなしというか。「やるしかない!」という気持ちで、どんなに冷たくされても果敢に挑戦していました。若いからこそできることだったなあと、今は思います(笑)。

――そんな苦労のもと、大きく育ってきたROSE LABO。今、どのような商品を扱っているのでしょうか。

バラの加工商品をいろいろと販売しています。最初は収穫したバラそのものを飲食店で販売していましたが、栽培のコントロールがうまくいかず、売り切れないほど咲いてしまったことがあって。それに、飲食店への売り込み営業は限界があったので、冷凍バラにしてジャムやシロップなどを開発しました。

そしてファーマーズマーケットやマルシェなどに出店し、お客さんの声を聞きながら改良を重ねて商品の幅を広げていきました。これが意外と好評で。3期目には年商1億円まで成長しました。2018年からは化粧品の開発・販売も始めています。

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クレンジングバーム(左)をはじめ、スキンケアグッズも充実♡

「農業界の希望の星」って呼ばれたい

――コスメを開発するきっかけは、田中さんご自身の経験からだそうですね。

私はアトピー体質で敏感肌なので、化粧品はいつも成分表を見て選んでいました。食用バラを使って、私のような体質の人でも安心して使える化粧品をつくりたいと思い、開発することにしたんです。

完成までにかかった期間は約2年。研究に研究を重ね、一般的なバラよりもビタミンAやビタミンCが多く含まれる新品種「24(トゥエンティフォー)」の開発に成功しました。そして、「24」を使ったナチュラルコスメを発売するに至ったんです。できあがったときの達成感は、本当にすごいものがありました。

――ありがとうございます!最後に、今後の目標を教えてください。

いちばん大きな目標は、日本全国に食用バラ農家を増やすこと。というのも、コロナ禍で需要がぐっと伸びたんです。イベントや冠婚葬祭が自粛されたため、観賞用の花木農家が苦戦を強いられています。また観賞用のバラは開花期間が短いので、大量に破棄されているのが、業界の現状です。

なので、食品や化粧品に加工できる食用バラ農家を増やして、ロスを減らしたい。そのためにも、食用バラをみんなにとって身近な存在にして、「農業の希望の星」って呼ばれるようになりたいです。

食用バラに魅了されて、農家に弟子入り!ROSE LABO代表・田中綾華さんの「人生をかけて夢中になれるもの」との出会い

商品の幅は、食品にまで広がっています!

個人的な目標は、仕事とプライベートのバランスをとること。農家は天候に影響を受ける仕事なので、休日だって急に働かなくちゃいけないことがよくあります。だからつい、毎日仕事ばかりになってしまって……。今のままだと将来、体力が追いつかなくなっちゃうかなと思います。

自分自身も、そしてせっかく農業に携わってくれている若いメンバーも働きやすい職場にしたい。先進的な一般企業のような働き方に近づける仕組みを、今考えているところです!

田中綾華(たなかあやか)●1993年生まれ。大学2年生のときに中退し、食用バラ農家で2年間修業する。2015年に独立し、ROSE LABO株式会社を設立。「”食べられるバラ”を通して世界中の女性を美しく、健康に、幸せに」を理念に、食用バラの栽培やバラを配合した加工食品や化粧品を開発・販売する。2019年に「マイナビ農業アワード」で最優秀賞を受賞。

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橋本岬
Writer 橋本岬

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