Paranaviトップ ノウハウ 人間関係 春、「初めまして」の季節に。正しいコミュニケーションスキルを身につけよう!

春、「初めまして」の季節に。正しいコミュニケーションスキルを身につけよう!

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4月は、みんなが新生活にバタバタする季節です。就職や転職、異動をした人もいるのではないでしょうか。はじめましての出会いが多い時期だからこそ、見直しておきたいのが「コミュニケーション」。仕事でもプライベートでも大切なコミュニケーションについてお話しします。

コミュニケーションとは“伝え合う”こと

「コミュニケーション」という言葉を辞書で引いてみると、

  1. 社会生活を営む人間が互いに意思や感情、思考を伝達し合うこと。言語・文字・身振りなどを媒介として行われる。
  2. 動物どうしの間で行われる、身振りや音声などによる情報伝達。

と出てきます(出典:デジタル大辞泉(小学館))。注目してほしいのは「伝達」という言葉、そして「言語、文字、その他各種のものを媒介とする」という箇所です。コミュニケーションというと“言う・聞く”を指すと考えている人が多いのですが、これでは一方通行になりかねません。どれだけ自分がうまく話したと思っていても、相手に伝わっていなかったら、それはコミュニケーションとは呼べないわけです。

本来のコミュニケーションは“伝え合う”こと。これができて初めて、一方通行ではなく、双方通行になります。

ゴールはうまく話すことではない

コミュニケーションをするときは相手にうまく伝わるように、上手に話さないといけないと思う人が多いようです。が、コミュニケーションはあくまでも「伝え合う」ことが目的。ゴールは、自分がうまく話すことではありません。

むしろ、下手でも自分の気持ちや伝えたいことが相手にちゃんと伝わればOKです。海外に旅行に行った時、現地の言語を話せなくても、なんとなくカタコトの言葉と身振り手振りを駆使したらちゃんと相手に伝わったという経験はありませんか?それは決して、うまく綺麗に話せているわけではないでしょう。でも、相手がこちらの意図を汲み取ってくれて、双方気持ちよくコミュニケーションが取れています。

正しいコミュニケーションスキル

とくに初対面の相手だと、お互いに緊張してしまいがち。うまく話すことばかり意識してしまい、なかなか言葉が出ないまま終わってしまった……なんてことも。でも、先ほど紹介したとおり、言葉だけがコミュニケーションではありません。身振り手振りや表情も含めたいろいろな要素が媒介になるのです。

コミュニケーションには2種類あるといわれます。話す・書くといった言語情報を指す言語コミュニケーション(バーバルコミュニケーション)と、言語に頼らず視覚や聴覚などに語りかける非言語コミュニケーション(ノンバーバルコミュニケーション)です。人はどうしても、バーバルコミュニケーションに偏りがち。でも、実はどちらも大切なコミュニケーション方法です。ノンバーバルコミュニケーションがあることを忘れないでください。

コミュニケーションには「3Vの法則」がある

とはいえ、コミュニケーションが苦手な人は多いですよね。そういう方は、まず相手の表情を意識してみましょう。

「メラビアンの法則」という言葉をきいたことがあるでしょうか。1971年にカリフォルニア大学ロサンゼルス校の心理学者だったアルバート・メラビアン氏が提唱した法則です。実験では、「好き・嫌い・普通」の音声データと、「好き・嫌い・普通」を想起させる顔写真を用意し、それらを矛盾するように組み合わせました。例えば怒った顔の写真に優しい声で「好き」という言葉が当てられたとき、「視覚情報(Visual)」「聴覚情報(Vocal)」「言語情報(Verbal)」のどれが大きなインパクトを残すのか調べたものです。

実験の結果見つかったのが、メラビアンの法則、別名「7-38-55のルール」「3Vの法則」です。3つの頭文字をとって「3Vの法則」と名付けられました。言語情報、聴覚情報、視覚情報がコミュニケーションに与える影響度は以下のとおり。

  • 視覚情報(表情や視線、仕草など)→55%
  • 聴覚情報(声の大きさや話すスピードなど)→38
  • 言語情報(会話そのものの内容)→7
正しいコミュニケーションスキル

ただ、この法則には1つ注意点があります。メラビアンの法則は「人は見た目が重要」、「会話の中身よりも、話し方や見た目のほうが大事」と解釈されることが多いのですが、これは誤解です。メラビアンは、「視覚情報」「聴覚情報」「言語情報」の3つが違いに矛盾していた場合、「視覚情報>聴覚情報>言語情報」の順番に優先されるということを示したのです。

ですから、もちろんバーバルコミュニケーションも重要であることに変わりありません。ただ、なかなか言葉で表現できない時、表情はその苦手な言語をカバーしてくれる強い武器になることは間違いありません。

相手を観察して「雑談」から話を広げよう

私は、診察でよく雑談を取り入れます。趣味の話やペットの話など、好きなものについて語る時、患者さんの表情がすごく柔らかくなります。雑談は、話しやすい雰囲気をつくり、相手といい関係性を築くために有効です。仕事でも、同僚や商談相手と信頼関係を構築するのに大きな効果を発揮します。相手に「この人と話すと、なんとなく楽しいな」という好印象を残すことができます。

でも、いきなり雑談を仕掛けるのって難しいですよね。そんな時私は、パッと相手の持ち物を見ます。例えばスマホケース。好きなアイドルや芸能人の写真を挟んであったりするので、そこから話を広げていきます。「そのバックかわいいですね〜!」とか「そのリップの色、素敵ですね!」と言葉をかけてみるのもアリだと思います。

その人が身につけているものをきっかけにすると、意外にも結構話が広がります。雑談は苦手……と言う方は、ぜひ、相手を観察することから始めてみてください。

いいコミュニケーションは、新たな出会い・気づき・場所などいろいろなものを引き寄せてくれます。もしかしたら、そこから何かが始まるかも! この春、バーバルコミュニケーションとノンバーバルコミュニケーションをうまく使って、笑顔あふれる日常を手に入れましょう!

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木村好珠
Writer 木村好珠

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