「新NISAって何がどう違うの？」「投資ってよくわからない…」という方へ。その疑問に世界一わかりやすく答えてくれるのが、大好評中の書籍『未来がヤバい日本でお金を稼ぐとっておきの方法』（ダイヤモンド社）を出版した南祐貴（セカニチ）さんです。今年6月、セカニチさんとイラストレーターのゆんさんがTSUTAYA BOOKSTORE MARUNOUCHIでイベントを実施。同店史上最多（！）の人数が参加したというイベントの内容から、NISAと投資の大原則を公開します！※2023年5月、「TSUTAYA BOOKSTORE MARUNOUCHI」にて行われたイベントの内容を記事化しています。
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新NISAで変わるのは「金額」と「恒久化」の2つ
セカニチ
NISAで買うべき商品は1つです！ 不動の人気1位「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」は間違いないでしょう。いま小さい企業でも大きく成長したら厳選500社の中に自動的に入る商品です。自動メンテナンスされるのでラクで良いですね。外す理由がありません。旧NISAでも新NISAでも結論はこの商品で同じです。2023年6月時点で世界の時価総額は、AppleとMicrosoftの2強。そしてAlphabet（Google）、Amazon、NVIDIAと続きます。イーロンマスクが「麻薬よりも手に入らない」と言ったのが、NVIDIAの半導体です。そりゃ、株価も上がって時価総額も大きくなりますよね。もちろん自動メンテナンスでS&P500の中に反映されています。
ゆん
NISAは2024年から「新NISA」に制度が変わると聞きました。どう変わるんでしょうか？
セカニチ
変わるポイントは2つです。「上限の金額がかなり大きくなる」と「恒久化」。これまでは「一般」と「つみたて」のどちらかを選ぶ形式で、投資枠上限は一般で年120万円（×5年間）。つみたてで年40万円（×20年間）。そして制度の利用期間は恒久化されておらず縛りがありました。そもそも2つあるのが意味不明な上にわかりにくいですよね。2024年1月からは全て刷新されます。最大で年240万円の「成長投資枠」と最大で年120万円の「つみたて投資枠」の2つができ、併用できます。合わせて年間で360万円、生涯で1800万円（うち成長投資枠は1200万円）まで投資できるように。かなり枠が広がりますね。非課税期間も「無期限」に恒久化となりますので、大きいルール変更です。
ゆん
新NISA、すごいですね。セカニチさんはがっつり投入するんですか？
セカニチ
もちろん限度額マックスまで入れます！ 皆さんが全員そうする必要はなくて、あくまでも「余裕資金を入れる」ことが大事。例えば毎月3万円ずつ入れているなら、そのペースをキープして続ければOK。私たちが持っている最も大きな資産は「時間」です。株も資産も、長期的に見れば時間の経過と共に価値が上がっていきます。だから投資の第一歩として、NISAとDC（確定拠出年金）をやりましょう。特にNISAは18歳以上なら、少額でも良いので必ずやるべき「神制度」です。社会人の皆さんはDCも必ずやるべし。個人型＝iDeCo、企業型＝企業型DCです。
インフレ進行中の今こそ、投資を始めるチャンス！
ゆん
NISAやiDeCoはなんとなく身近になってきました。でも「投資」って聞くと、腰が引けてしまう方が多いみたいです。タイミングを間違えたら大損しそうみたいな。
セカニチ
ドルコスト平均法といって「毎月コツコツ積み立てる」のが世界最強の投資です。月々のお給料から余裕資金だけを数万円回せれば十分。「小さくコツコツ」という基本に忠実にやれば、大損することはそうそうありません。そしてタイミングでいうと、まさに今が大チャンスです！ なぜなら、海外と比べて日本の物価はまだまだ低いから。iPhoneもマックのハンバーガーもどんどん値上げしていますよね。80年前、おにぎりは0.05円で買えましたが、今セブンイレブンで辛子明太子おにぎりを買うと189円（税込）です。なんと3780倍ですよ！ でも、これは「まだ序章」に過ぎません。日本のインフレはこれからもじわじわ進行していきます。
ゆん
ものの値段がどんどん上がっていますよね。電気代も、今年の冬を超えるレベルの上昇でした。物価が上がっても、お給料がそれ以上に上がれば良いのですが。
セカニチ
ところが、実質賃金は14カ月連続で下がり続けています。給料の金額自体は変わらなくても、生活コストが上がれば実質的な給料の価値は下がりますね。このインフレに負けないために、必要なのが「投資」です。株に興味があるけどどれを買ったらいいかわからないという方は、「応援したい企業」を探してください。困っている人を助けたり、世の中を幸せにしたりしている企業のことは応援したくなりますよね。そして、10年後、20年後も持っていたいと思える株かどうか。株式投資は「結婚」と一緒。長期的視点でやりましょう。逆に、短期保有で儲けようとしたら絶対に失敗します。これが、私が10年以上にわたる投資経験を踏まえて、自信を持って言える大原則です。
セカニチの失敗に学ぶ「株を買ったら20年気絶する」投資の大原則
――セカニチさんは投資で失敗したこともあるんですか？
セカニチ
はい、実は大失敗した経験があります。具体的には2016年1月に、1カ月で700万円以上の損失を出しました（笑）。原因は、任天堂などの株を高値掴みして短期売買してしまったこと。買った直後に大暴落したんです。さらには、大損したからといって全部売ってしまった。本来なら、短期的に暴落しても気にせず、長期で持っておけば、今ごろ含み益が3倍以上になっていました……。この失敗経験から私が学んだ原則が「#株を買ったら気絶」です。だから、20年間放置してもいいような株しか買っちゃいけない。ちなみに、Amazonの株価はこの24年で1700倍になっています！
ゆん
1ヶ月で700万円損するなんて、それこそ気絶しそうです……。短期売買以外に、セカニチさんが「失敗だったな、と思うこと」はありますか？
セカニチ
いくらでもありますよ（笑）。主には「株のギャンブル取引、生命保険、資産運用、合コン、不動産」の5つですね。株は、決算前日に買う遊び「決算ダービー」にのめりこみ、精神的に振り回されました。もし3連勝したら、それ以上を狙ってしまうのが人間の性。「ちょうどいいところでやめる」なんて絶対に無理、もはやカジノと一緒です。
ゆん
生命保険も失敗だったんですか？ 買っている人が多いと思います。
セカニチ
社会人1年目の冬に、営業に言われるがまま買っちゃって、毎月5万円つぎ込んでいました。でも利率は悪いし、人間は死なないし、NISAの方がずっと得なので、完全に不要だったなと。私たちは早く死ぬリスクよりも、長生きするリスクの方がずっと高い時代です。そして3つ目の「資産運用」も同じで、大きなお金を短期売買してただお金を溶かしただけでした。4つ目の「合コン」に至っては、時間もお金も完全なる無駄使い（笑）。「西麻布のパトロール」と称して、毎晩のように2万円を使っていたんです。ランチの1000円はケチるのに。適切なお金の使い方を知らなすぎました。
天井まで届く本棚を背に、おしゃれな会場で行われたイベント。2人の話を聞きたい20〜30代を中心に、たくさんの人が詰めかけました！
ゆん
そして最後は「不動産」。セカニチさんは今、高輪ゲートウェイ地域の不動産投資で成功しているのに意外です。
セカニチ
現金を合コンで使い果たしていたので、不動産を買うための諸費用が払えなくて（笑）。「利回り6%以上」にこだわった末、いつまでも不動産が買えない。ろくに比較せずにダメな不動産を買いそうになりました。それから私自身も、東麻布の家賃11万円の部屋に5年間住みましたが、家賃をドブに捨て続けたことはもったいなかったなと。賃貸は掛け捨てで、結局何も残らないので。早くから買っておけばよかったと後悔しています。
――大から小までいろんな失敗をしてきたセカニチさんですが、投資においてみんなに伝えたいことはありますか？
セカニチ
「セカニチの失敗を繰り返すな（涙）」ということです。最もまずいのは、行動しないこと。「正しい知識を得て、早く行動する」のが成功のコツ。私たちの日常生活で目に入るものすべてが投資対象だと思ってください。コーヒーも、映画も、家具家電も、今日着ている洋服も、すべて誰かが投資して誰かが工場を作り人を雇って作ったもの。「投資」は怖いものじゃなく、「身の回り全て」です。余計な情報に惑わされて、不要に怖がっていたら何も進みません。将来の自分に少しでも多くの資産を渡せるように、1つずつ行動に移していきましょう。
※投資商品の選定は、ご自身の判断でお願いします。
ゆん