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精神科医が教える、悲しいニュースから自分のメンタルを守る方法

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2024年はお正月から、地震や飛行機事故など悲しいニュースが続きました。当事者ではないにもかかわらず、ニュースを目にしているうちに、どんどん暗い気持ちになって苦しくなってしまった方もいらっしゃると思います。そんなときに少しでも心を穏やかに保つための方法を考えていきます。

共感疲労に気をつける

“共感疲労”という言葉を聞いたことがあるでしょうか? 共感疲労とは、自分以外の人たちの苦痛や困難をみた人が、共感やケアする気持ちを持つことで、自分が体験したわけではないにも関わらず、あたかも経験したような心の疲弊を伴ってしまうことを言います。

「被災地は大変なのに普通の日常を送っていいのか……」と自責の念に駆られ、後ろめたさを感じる人もいます。辛いニュースを知って、苦しくなるのは、まさにこの“共感疲労”によるものです。

これに対処することなく疲労が蓄積されていくと、無気力状態や抑うつ気分、漠然とした不安や焦燥感にかられるようになってしまいます。

共感疲労を受けやすい人の特徴5つ

共感疲労を受けやすい人には、特徴があります。具体的には以下のような性格です。

  • 他人の発言や行動に対して普段から敏感な人
  • 気を遣いすぎる人
  • 面倒見が良い人
  • 自分が助けなきゃ! という使命感が強い人
  • 過去に同じような境遇にあったことがある人

思い当たるあなた、こんな症状ありませんか?

共感疲労に思い当たるふしがある方。もし、最近こういう症状があるなら、それは共感疲労によって体がSOSを出している状態かもしれません。

  • 気分がはれない
  • 疲労感がすごい
  • 注意力散漫
  • 常になにか不安感がある
  • 眠れない
  • 胃腸など消化器系が不調
  • 映像がふとよみがえってくる
  • 鬱々としている
  • 何をするにもやる気が出ない
  • なんとなく上の空になっている

何より大切なのは「情報を入れすぎないこと」

テレビやSNS、ネットのニュースなどあらゆるところで情報が飛び交っています。SNSでは、根拠のない話を繰り広げる人もいますし、悲惨な現場の映像をポストしたり、拡散したりする人もいます。自由に発言できる場所であるからこそ、刺激の強い発言や情報が入ってきやすい場です。そして、調べると溢れんばかりの不安な情報が、さらにどんどん見つかります。

もちろん、SNSは人命救助につながることもあり、使い方によっては素晴らしいものです。でも、刺激に弱い人はなるべく使用方法を制限した方が良いでしょう。

また同じように、テレビをずっと見続けるのも得策とはいえません。SNSより情報の信頼度は上がりますが、テレビは文字だけではなく、映像で現場のリアルを映し出すこともしばしば。例え、自分が現場にいなかったとしても、衝撃的な映像を何回も繰り返し見ると、先ほどの共感疲労がより強くなり、ストレスがどんどん蓄積されていきます。

情報収集も大切ですが、心のケアのためには情報から距離をとることもすごく大切です。

メンタルケア

特に、小さな子どもがいる家庭では要注意

パラナビ読者の中には、小さなお子さんを育てている人もいるでしょう。そんな方はとくに注意して、子どもにはできるだけ怖い映像を見せない工夫をしましょう。

言葉にして不安を伝えられないお子さんもしばしば散見されます。なんとなく不安そうだったら、『大丈夫だよ』と優しく伝え、抱きしめるなど安心感を与えてほしいです。不安という表現ではなくても、そわそわしたり、泣き出したり、甘えたり、わがままになったりと、子どもの「不安」の表現はさまざまです。

もしお子さんが何かいつもと違うサインを出していたら、しっかりと向き合う時間を作ってあげるようにしてください。

目の前にある暮らしを何よりも大切にして

このような言い方をすると、「ひどい!」と言われるかもしれませんが、映像で起きている現象は実際に自分の目の前で起きていることではありません。それを自分で理解することも大切です。

自分が被害を受けたわけではないことを理解し、一度落ち着いた上で、今の自分の生活に感謝し、自分に出来ることを考えてみましょう。不安がある場合は周りの人とその不安を共有して、自分が一人じゃないことを認識してみてください。コミュニティがあることは安心感につながります。

そして、何か行動を起こすためには、自分が元気でないといけませんよね。ですから、やっぱり第一にすべきは自分のメンタルケアです。

鬱々とした気持ちが続くようなら、カウンセリングや医療機関へ

もし、上記のような症状が続いたり、私生活に支障が出るレベルになってしまった場合は早めに医療機関などに相談することをおすすめします。

新年から暗いニュースが続きましたが、どんな時も今自分に出来ることを信じて、健康に生活していきましょう!

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木村好珠
Writer 木村好珠

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