皆さんは「春バテ」という言葉を聞いたことがありますか?春になると、なんとなくウキウキする!という声と共に、寒さが和らいで暖かくなってきたはずなのに、なんとなく体調が悪くなってきた……ということがあるんです。そんな春バテについて、今回はその理由と対処法についてお話ししたいと思います。
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春バテの理由
春バテとは、簡単に言うと“春に起こる体調不良”のこと。具体的にどのような症状が出るかというと、だるさや眠気、食欲不振、集中力の低下などがよく挙げられます。では、なぜこのようなことが起こるのでしょうか?これにはいくつかの理由があります。
気温差と体温調節の難しさ
日中は暖かくなってきたとはいえ、まだまだ朝晩は寒いというように、春は1日の中での気温の差が大きい季節です。この気温の変動が、体にとってはかなりのストレスとなります。人間の体は、ホメオスタシス(恒常性)というものがあり、外気温が変化しても、体温を一定に保てるように調整しています。朝の冷え込みで身体を温かくし、日中の暖かさで少し暖め機能を弱め、再度夜にかけて温めていく……これってかなりの重労働なんです。
この調整がうまくいかないと、だるさや倦怠感、さらには免疫力の低下などが起こりやすくなります。特に、寒い時期から暖かい時期に移行すると、体が急激な気温の変化に適応しきれず、血流が悪くなったり、自律神経が乱れることがあります。これが春バテの原因の一つとなります。
自律神経の乱れ
春は、生活環境にも変化が多い時期ですよね。新学期、新年度の始まりで仕事や学校のスケジュールが不規則になったり、役職が変わったり、新しい人間関係ができたり……とにかくストレスが増えやすい時期でもあります。こうした環境の変化が、実は自律神経を乱す原因になるんです。
自律神経は、体温調節や心拍数の管理、消化活動など、生きる上で行っている体のさまざまな機能を無意識のうちに調整しています。自律神経なしには私たちは生きていけません。ストレスや環境の変化によって、この自律神経がうまく働かなくなると、春バテが起きやすくなるんです。
日照時間の増加
春になると、日照時間が長くなりますよね。これによって、体内時計が少しずつ調整されるのですが、春は特に「眠りの質」に影響が出やすい時期です。特に夜遅くまで活動していると、たとえ日照時間が長くても、体が十分に休めないことが多くなります。
春は「春眠暁を覚えず」という言葉にもあるように、眠気が強く感じることがある季節でもあります。昼間の暖かさが心地よくて、昼寝をしすぎたり、夜もなかなか寝付けなかったりして、睡眠の質が低下することが春バテの原因になります。昼寝をするとしたら、大体20〜30分くらいがベスト。それ以上寝てしまうと、どんどん睡眠リズムが乱れる原因になります。気持ちよくても、アラームをかけて夜間の眠りに害のない昼寝にとどめましょう。
栄養バランスの乱れ
冬の間は寒さで食べ過ぎてしまったり、逆に食欲が落ちてしまったりすることがあるのですが、春になると心機一転!という気持ちの強さからか、偏った食事や急なダイエットなど、栄養のバランスが崩れがちになります。忙しさにかまけて食事を抜いてしまう……なんて人も。栄養不足は、体調を崩す原因となります。特にビタミンやミネラルが不足すると、免疫力が低下し、春バテが悪化することがあります。
春バテの対処法
春バテの原因がわかったところで、ここではいくつかの対策方法を紹介します。実は、春バテは生活習慣に少し気を配るだけで軽減できることが多いのです。
体温調節を意識する
春は気温差が大きいので、体温調節がとても重要です。朝晩はまだ冷えることがあるので、重ね着をしておくと良いでしょう。昼間は暖かくても、外出先で急に寒くなることもあるので、軽く羽織れるものを持っておくと安心です。
また、体温を上手に調節するためには運動も効果的です。軽いウォーキングやストレッチをすると、血流が良くなり、体温調節がスムーズになります。少し早歩きをするだけでも身体がぽかぽかしてくるので無理のない範囲で、日々の運動を取り入れると、体調が整いやすくなります。
自律神経を整える
自律神経を整えるためには、リラックスした時間を持つことが大切です。仕事や勉強で忙しい時期かもしれませんが、毎日少しでも心を落ち着ける時間を作るようにしましょう。朝15分早く起きてゆっくり白湯を飲む時間を作ったり、深呼吸やヨガ、瞑想なども効果的です。
加えて、規則正しい生活を心がけ、睡眠時間を確保することも自律神経を安定させるためには重要です。夜更かしや不規則な生活は、春バテを悪化させる原因になりかねません。
食生活に気をつける
偏った食事を避け、バランスよく食べることも大切です。春になると新しい食材がたくさん登場しますので、特にビタミンやミネラルが豊富な野菜や果物を積極的に摂るようにしましょう。
また、食事のタイミングにも気をつけましょう。朝食を抜いたり、食事の時間が不規則になったりすると、体調が崩れやすくなります。規則正しい食事を心がけ、特に朝食をしっかり摂ることが、春バテの予防には効果的です。朝食を摂る人は、摂らない人に比べて幸福度が高いという報告もあります。そのくらい朝ご飯は重要なものなのです。
良質な睡眠を確保する
眠くなりやすいこともあるとはいえ、寝すぎも良くないので、毎晩同じ時間に寝ることを意識しましょう。寝室の温度や湿度にも注意を払い、快適な環境を整えることが大切です。さらに、寝る前にリラックスできる時間を取ることで、質の良い睡眠が得られます。スマホを触るのではなく、読書や音楽を聴くなど、心を落ち着ける時間を持つことをおすすめします。
ストレスを上手に管理する
春は新しい環境に適応する時期でもあり、ストレスを感じることも多いです。ストレスを感じたときは無理に我慢せず、適度に発散することが大切です。友達と話す、趣味の時間を持つ、軽い運動をするなど、自分なりのストレス解消法を見つけて実践しましょう。
春バテを感じたらしっかり休もう!
春バテは、冬から春への季節の変わり目に起こりやすい体調不良ですが、ちょっとした工夫で改善することができます。まずは自分の体の調子をよく観察して、無理のない生活を心がけることが大切です。春が来ると新たな気持ちになるものですが、体調がついてこないとせっかくの春を楽しめませんよね。もし春バテを感じたら、少しだけ意識を変えて、毎日の生活習慣を見直してみましょう。
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