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「とりあえずやってみる!」からキャリアの道が拓けてくる

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パラキャリに興味があっても、いざやってみようと思うと「仕事でいっぱいいっぱいになってしまわないかな?」「それぞれの仕事量のバランスがとれるかな?」と色々な疑問が浮かびますね。そもそも、「私にパラキャリは合ってる?」となかなかその一歩を踏み出せない方も多いのではないでしょうか。今回はそんな方々にパラレルキャリアという“キャリアの選択肢”について心理面からお話しします。

こういう人はパラキャリが向いている!

まずは、どういった性格の人がパラキャリに向いていると言えるのでしょうか。欠かせないのが、“好奇心が旺盛である”こと。当たり前のように思いますが、やはり重要な要素と言えるでしょう。何でも挑戦してみたい、と思える気持ちがパラキャリへの第一歩です。

 また、スケジュール管理や優先順位をつけることが得意、ということも大事になってきます。パラキャリをしていると、どうしても、自分で時間を管理しないといけなくなります。複数かけもちしていても、どれも「仕事」ですので、(プライベートでもよくないですが)予定が重なっちゃった! なんてことがあったら大変です。仕事が重複しそうであれば、今はどちらを優先すべきなのか、自分で判断できる意志が必要です。

 今、“意志”という言葉を使いましたが、実はこれがパラキャリにおいていちばん重要なもの。パラキャリを始めること、時間的な選択、ライフワークバランス、すべてにおいて自分で状況を理解し、判断し、行動していかないといけません。時には、イエスマンにならずに自分の意志を伝えることも重要になってきます。ここで言えることは、適度に人に頼ることができる、というのもパラキャリを続けていく上で大事な要素です。ですので、その意志を持ち、人にそれを伝えられ、自分で全部を背負いこみすぎない人がパラキャリに向いている、と考えられます。

 パラキャリは幸福度も高められる!

ハートマークを掴む指先

次に、仕事で何を求めると人間は幸せを感じやすいか。お金? キャリア? どれも大事ですが、いちばんは、「自分の好きなこと」です。最初は富や名誉が大事と思っても、結局、人は自分の好きなことをやっていないとなかなか幸せだとは感じにくいようです。パラキャリをしたいと思う時、まず考えるのは自分の好きなことや趣味の分野ではないでしょうか? 私も、現在スポーツメンタルアドバイザーをしていますが、これは幼い頃からスポーツが大好きで、今でも多い時で1日4試合(6時間)観戦するほどのサッカー好きというところから始まっています。

最初のキャリアを探す時、なかなか余裕がなくて、自分が本当に好きなことを仕事にできている人はそこまで多くないように見受けられます。少し余裕ができた時、自分がしたいことが本当にそれか、またはそれだけなのかを考えてみてください。もちろん、自分のやりたいことが体現できている! という人はそれでいいでしょう。しかし、「うーん、今の仕事もやってみたら好きだったけど、本当はこういうことがしたかったんだよな」と思っている人もいると思います。そういった方はぜひ、「自分の好きなこと」でパラキャリをするという選択肢を考えてみてください。

好きこそものの上手なれ、は本当!

HAPPYの文字

この言葉、小さい頃からよく耳にした方も多いと思いますが、本当なのでしょうか。実はこれ、しっかりと証明されているんです。心理学者のショーン・エイカー氏は、「ポジティブな思考を持っているときは、ネガティブな思考の時に比べ、脳の生産性が31%上がる」という調査結果を発表しています。好きなことをするときは当然ポジティブな思考のはずなので、生産性は上がるということになるでしょう。 

また、何かにやる気を出すとき、人間には動機付けが必要となります。動機付けには、大きく分けて2つの種類があり、内的動機付けと外的動機付けに分けられます。このどちらかがある状態が、人間がやる気になるときです。内的動機付けというのは、興味や関心などからくる自発的な動機のことです。一方、外的動機付けというのは、名誉や報酬、出世など人からの評価によって形成される動機のことです。好きなことをしているときは、作業自体を楽しめるため、内的動機付けが確保されており、「評価されなきゃ」とか「もっと報酬が欲しい」といった余計な外的動機付けが必要とならず、仕事そのものに集中できるということです。こうしたことも、好きなことを仕事にすれば頑張ることのできる1つの理由になります。

 まずはやってみる!

ともあれ、続くかどうか、スケジュール管理ができるか、それは正直やってみないとわかりません。私も、今でも一気に仕事を受けすぎて、時々スケジュール管理だけであたふたする時もありますし、優先順位をつけるのがすっごく得意! というわけでもありません。ですが、今こうしてパラレルキャリアをしています。みんな最初は、「とりあえず、やってみる」ことです。人間の脳は、「作業興奮」という機能があります。これは、面倒なことでも、とりあえずやり始めることで脳が刺激され、やる気のもとであるドーパミンという脳内物質が放出されというものです。 

また、何をするか考える際に注意すべきことは、「〜〜ができなそう」といったマイナスなイメージから考えないこと。自分がパラキャリをしたら、こんなことがしたいな、こんなことができそうだな、という肯定的なイメージを思い浮かべてください。

 そして、最初から完璧を求めないことも大事です。ミスをしたとき、その理由は「パラキャリになったから」ではなく「慣れてないことだったから」。パラキャリでなくても、初めてのことをするときは、誰だってミスをします。それは当たり前のことです。 

どうですか? パラキャリについて、少し前向きな気持ちになっていただけたでしょうか。好奇心を持って、ぜひ「まずはやってみる」の精神でtryしてみてくださいね!

木村好珠(きむらこのみ)●精神科医、漢方医、産業医、健康スポーツ医。学生時代からタレント活動を始める。現在精神科医として常勤する傍ら、都内企業の産業医、ブラインドサッカー日本代表のメンタルアドバイザーを行なっている。最近は、アカデミー年代のメンタル育成の普及について積極的に取り組んでおり、レアル・マドリード・ファンデーション・フットボールアカデミーやMIFAサッカースクールのメンタルアドバイザーとしても活動中。  

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