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「引っ張っていく」だけがリーダーじゃない! 「女性管理職」へのハードル解消のためにできること

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『ミーニング・ノート 1日に3つ、チャンスを書くと進む道が見えてくる』の著者である山田智恵さんにミーニング・ノート誕生のきっけになった自らの体験とミーニング・ノートが人生にもたらす役割についてお聞きした前編。後編では、デジタルマーケティングの企業で部長になった山田さんの女性管理職としての悩みや女性リーダー育成に対する取り組みなどをお聞きします。

女性管理職の少なさに疑問を持ちボストンへ

――ミーニング・ノートによって人生が好転。32歳で世間知らずだった状態から、女性管理職にまでなって、どのような変化がありましたか?

2013年にソーシャルメディア事業部の部長に昇進したのですが、女性管理職の少なさを身をもって感じることになりました。比率で言うと当時は、わずか10%程度。これは日本の女性管理職比率の平均なんです。当時務めていた会社の社員は男女半々なのに、管理職となると30人中3人と一気に少なくなるのがおかしいなあ、実態に合ってないなと感じていました。

そんなときにFacebookを見ていて「女性のためのリーダーシップ育成プログラム」を実施しているJWLI (日本女性リーダー育成支援事業)を発見したんです。これもミーニング・ノートに書きました。JWLIは、ボストンの慈善事業家である女性が母国日本の女性のために立ち上げたリーダーシップ育成プログラムです。当時から感じていた女性管理職の少なさを解決するヒントがあるんじゃないかと応募し、ボストンに研修に行きました。

――JWLIのボストン研修では、どんな気づきがありましたか?

当時は、自分の中でもまだはっきりとしたリーダー像というものが浮かんでいなかったんですね。ステレオタイプな思い込みで、リーダーというのは完璧であって、部下を引っ張っていく存在だと思っていたんです。ところが、ボストンに行ってみると、みんな各々でリーダーシップのスタイルが違っていて、自分の強みが生かせるリーダーシップスタイルを見つけることがいちばん大事なのだと気づかされました。

それまでは何か、「こうあるべき」という管理職像に自分を当てはめようとしていたんです。そうじゃなくて自分なりの管理職スタイルを作ればいいんだと頭を打たれたような衝撃を受けました。そして、自分なりのリーダーシップをデザインしていくうえでも、ミーニング・ノートと同様に自分の内面にあるものを言語化していくことが重要だということがわかったんです。

会社でもワークショップをしたのですが、自分の実績を言葉にできることが強みになっていきます。人間は、何でも言語にして認識しています。たとえば、自分の勝負服は白シャツだ、と認識することで、いざというときにその服を選べるようになりますよね。言語化をすることで、ものごとを意識的に使えるようになるんです。また、自分は何が得意で何が不得意かを認識して、戦略的にキャリアを築いていくことも大切です。

女性側の意識ではなく、社会の仕組みの問題

ミーニングノート・山田智恵さん

 出典:women@roundtable

――主催されている女性管理職のためのコミュニティ「WOMEN@ROUNDTABLE」ではどんなことをされてますか?

まだまだ女性管理職は少なく、幻の“ツチノコ”かと思うほど。大手企業ほどいなくて、孤独なマイノリティです。各自が抱える問題を相談できる人が社内にいないし、情報もありません。

そこで、2017年から「WOMEN@ROUNDTABLE」を立ち上げて、会社や業種を超えてのワークショップやダイアローグなどのイベントを開催しました。のべ70名ほどが参加しています。毎回、マネジメントや心理的安全性、ジェンダーといったテーマを決めて話し合ったり、情報交換をしたりしています。

企業における経営者育成のための研修プログラムを企画することもあります。女性管理職の問題は、女性側の意欲にも問題があると言われますよね。そもそも、女性たちは管理職になんかなりたくないんじゃないか、と。ですが、これは実は女性側の問題ではなく、管理職の在り方や仕事の評価といった会社の仕組み自体が男性に合わせて作られたものだからなんじゃないかと考えています。

たとえば、男性は居酒屋でお酒を飲みながらワイワイ話すのが好きな人が多いかもしれませんが、女性はカフェで落ち着いて話すほうが居心地よく話せる人が多いかもしれない、といった小さなことにもジェンダーの差は現れます。そんな小さな例だけでなく、研修や評価制度、目標設定の仕方、組織の作り方など、会社の構造全体にも同じことが言えると思います。そう考えると、今の日本の職場には、男性がワクワクすることは揃っているのに対して、女性がワクワクする施策が少ないのだと思います。そんなところも改善したくて、私が作ったプログラムには、今まで管理職に興味がなかったという女性も手を挙げてくれるようになってきています。

また、会社に女性管理職がいないと、自分もあまり管理職になりたいと思えないですよね。制度があるというだけでなく、女性目線で女性が働きやすい職場になっていないと、有能な女性に選ばれる会社にはなりません。今、企業がIRの中でSDGsについてオープンにしているように、女性管理職の数や産休育休からの復帰の状況といったことも情報開示していくのが当たり前という世の中になってほしいですね。

予測不能な時代の未来の切り拓き方

ミーニングノート・山田智恵さん

――結婚や出産などライフイベントを控え、仕事や生き方を考える読者に体験から得た応援メッセージをお願いします!

ミーニング・ノートを今も続けているのですが、おかげで人生がまったく変りました。最初はたいしたことしか書けないと思っても、それがどんどんつながっていっていくんです。繰り返しになりますが、言語化し、記録をしていくことで、このつながりの成功パターンが見えてくることが大事なんです。

私は、もう10年続けているので何冊も過去のノートがあって、時々読み返したりもします。このときは自分に厳しかったなあとか、たいしたことはできてなかったけど精一杯やっていたなとか。未来に読み返すと、成長もわかって自分を応援できるようになりますよ!

今までは、何か決まった目標設定をして、そこに意識的に向かうのが成功法則だったかもしれません。ですが、今のような変化が大きく先が見えない時代は、経済や環境も今までのやり方が通じない、未来を固定できない時代です。未来ではなく、今目の前で実際に起きていることに価値や可能性を見いだして、それを紡いでいくというのが時代に合った生き方ではないでしょうか。それが、積み重なることで、いつの間にか人生を変えていくことになると思います。

上野千鶴子さんなど女性リーダーが登壇するオンラインプログラムが開催

Japanese Women’s Leadership Initiative(JWLI)では、「リーダーズ from JWLI」として毎月1回、プログラムの卒業生を中心に、新しい価値を生み出し、日本社会に変革をもたらす女性リーダーたちが登壇するプログラムシリーズを開催。

2021年初めてのセッションは、2020年最終セッションで300名以上の方にご参加いただいた上野千鶴子さん×厚子・東光・フィッシュのスペシャル対談セッション第2弾です。

第1弾では、なぜ女性リーダーの育成を大切にしているのか、ソーシャルセクターがなぜ社会変革において重要なのかについてお話をしました。第2弾となる今回は、具体的にそれぞれがソーシャルセクターの担い手として行っていることをご紹介します。このコロナ禍において行った非営利組織への支援とその成果、そしてコロナ後も期待される女性リーダー活躍の展望についてシェアします。

【日時】2021年2月4日(木)20時~21時

【登壇者】
上野千鶴子さん(認定NPO法人ウィメンズアクションネットワーク理事長/東京大学名誉教授)
厚子・東光・フィッシュ(Japanese Women’s Leadership Initiative創設者、フィッシュ・ファミリー財団理事)

【イベントURL】
https://fb.me/e/3k72mfNK1

【参加方法】
このイベントはVenture Cafe TokyoのThursday Gathering#137の一部として行われます。こちらからお申込みいただくと、当日のURLなどがメールで受け取れます。

【Japanese Women’s Leadership Initiative (JWLI)とは】
Japanese Women’s Leadership Initiative (JWLI) は 2006 年に米国ボストンにて設立しました。 2017年にChampion of Change Japan Award (CCJA – チャンピオン・オブ・チェンジ 日本大賞)、2019年6月にJWLI Bootcampを開始し、これら3つ のプログラムの参加者は100名近くになります。このJWLIコミュ ニティーはプログラム参加者以外にも、NPO・社会起業家、企 業、政府・行政、大学・研究機関など様々な分野のステークホル ダーも参画し大きな広がりを見せています。 JWLIは今、女性リーダーによる社会変革とイノベーションを 加速させることにより、このコミュニティーをエコシステムへと 発展させています。このエコシステムが目指すビジョンは、女性 が活躍する社会を創造し、ソーシャルセクターを政府や企業に 匹敵する第3のセクターに成長させることです。このエコシステム は、人権を尊重し、誰もが平等で暮らしやすい社会を目指して います。
http://jwli.org/

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小野アムスデン道子
Writer 小野アムスデン道子

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