Paranaviトップ お仕事 働き方 「たくさんの経験が、私を強くする」。恋愛デトックスカウンセラー・下村さきさんの、どこまでも前を向く生き方

「たくさんの経験が、私を強くする」。恋愛デトックスカウンセラー・下村さきさんの、どこまでも前を向く生き方

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恋愛デトックスカウンセラー・ライターとして活躍している下村さきさん。3歳・1歳とかわいい盛りの子ども2人を育てるパラキャリママとして、パワフルに活躍しています。「二股かけられた経験から、不毛な恋愛を“デトックス”して幸せになろうと思って、この仕事を始めました」と笑って話す下村さんですが、その裏側には波乱万丈な人生があったそう。すべてをポジティブにとらえて行動に移す、その底なしのバイタリティは、いったいどこからくるのでしょうか。

偶然始めた芸能活動が、人生を変えた

「人生全部コンテンツになる」。恋愛デトックスカウンセラー・下村さきさんの、どこまでも前を向く“強さ”の秘訣

――下村さんは、もともと恋愛カウンセラーを目指していたんですか?

いえ、映画監督になりたかったんです。早稲田大学文学部の映像研究科に行こうとしたら、推薦の枠が埋まっちゃったので、つぶしのきく法学部に入りました。大学では映画研究会というサークルに入るつもりだったんですが、高校のときに苦手だった先輩がいるのを知って、結局やめました(笑)。

――卒業後、映画業界に就職したんですか?

新卒で就職したのは、銀行でした。実は大学時代から芸能活動をやっていて、地下アイドルをしたり、舞台で演劇をやったり、ミュージックビデオに出たりしていました。それに夢中だったので、芸能と両立できる事務職の仕事を選んだんです。映画監督になるための足がかりとして始めた芸能活動でしたけど、本当に楽しかったです。

――楽しそう! でも、芸能活動と銀行員を両立するのは大変じゃなかったですか?

大変だったけど、エンジョイしてました(笑)。でも、あるとき大きい舞台で主役のお話をいただいて。本腰を入れて活動しようと思ったところ、所属事務所と折り合いがつかなくなってしまって……それで芸能活動に区切りをつけて、フリーターになりました

――フリーター! そこからどうしたんですか!?

なんにせよ自分の好きな仕事をしたいと思って道を探っていたら、知り合いが、ライター養成をしている作家さんを紹介してくれました。もともと自分が出る舞台の台本や、小説を書いたりしていて、書くことは好きだったんです。聞き書きやゴーストライターのお仕事をいただいて勉強しながら、ライティングを覚えていきました。

フリーターでも「焦りはなかった」理由

「人生全部コンテンツになる」。恋愛デトックスカウンセラー・下村さきさんの、どこまでも前を向く“強さ”の秘訣

――書くジャンルに「恋愛」を選んだのはなぜですか?

ゴーストライターの仕事を重ねるうちに、だんだん「自分の名前を世の中に出したい」という気持ちが大きくなってきて。自分なりに書けるテーマを探したら、たどり着いたのが恋愛だったという感じです。ライターの仕事は、最初からきちんと報酬をいただけてびっくりしましたね。当時は芸能の仕事をしてると、年上の男性から「仕事につながるよ」なんていわれて飲み会に呼ばれることが多かったので……(笑)。今はなくなったと思いますけど。

――恋愛について書くなら、多かれ少なかれ、自分の恋愛経験を明らかにすることになりますよね。そこに恥ずかしさとか、ためらいはなかったですか?

まったくなかったです(笑)! 私の人生、何かを隠したい、ごまかしたいっていうことがまったくないんですよ。地下アイドルのころ、彼氏をひた隠しにしていたのが辛かったくらい(笑)。

――早稲田大学法学部を出られてるわけで。いわゆる一流企業で活躍されているご友人もたくさんいらっしゃいますよね。焦りはなかったですか?

うーん、それよりも「私は私」という思いの方がずっと強かったです。何者であるかよりも何をしているか、そして楽しく過ごせているかが大事かなって。それに若かったので、「未来は絶対大丈夫!」という謎の自信もありました(笑)。なんだかんだいって早稲田大学法学部卒業っていう学歴があるから、今日食べるにも困りそうになったら就職しようなんて、ゆったり構えてました。

騙されかけるくらいの「フットワークの軽さ」が強み

――なんでもエンジョイできる明るさと、フットワークの軽さが下村さんの強みなのかなって感じます。

そうかもしれませんね。もともと、すごくフットワークが軽いんです。とりあえずなんでも経験してみて、嫌ならあとでやめればいいや、経験は損にはならないしっていう考えで。すぐ人についていっちゃうから、だまされかけてマルチ商法に誘われたり、怪しい人に壺を買わされそうになったり、典型的な危ない経験もしましたよ(笑)。

――そ、それはすごい経験……! そして、フリーターになってから1年後にご結婚されます。

はい。結婚に向けて安定した収入がほしくて、派遣社員として働きはじめました。ライティングは、副業として続けて腕を磨きました。当時は家事も99%やっていて忙しかったけど、私はもともと働くことが好きなので、苦じゃなかったです。働くのって毎日が充実するしすごく楽しいのに、さらにお金をもらえるなんてすごくないですか?(笑)

――好きな仕事には、自分でも気づかないくらいのめりこんじゃいますよね。わかります。

そうなんです。私にしかできない仕事なんてないけど、どうせなら「下村さんに頼んでよかった」と思ってもらえるような仕事をしたくて。頑張ってやっていたら、ある日、正社員にスカウトしてもらいました。もっと大きい仕事を任せてもらえるのがうれしかったし、副業もOKということだったので、正社員に復帰しました。

ブラック企業で激務→流産…人生のどん底へ

「人生全部コンテンツになる」。恋愛デトックスカウンセラー・下村さきさんの、どこまでも前を向く“強さ”の秘訣

――副業も順調だったんですね。

毎日職場で人間観察してると、ネタには困りませんでしたよ(笑)。書いた記事をSNSに載せていたら、「恋愛のプロ」とか呼ばれるようになって。知り合いから恋愛相談を受けるようになりました。友達から、友達の友達に、って輪がどんどん広がって、カウンセラーとしての一歩を踏み出したのもこのころでしたね

――働くのが好きな下村さんだから、バリバリ頑張っちゃいそうですね。

会社はひと月の残業時間が3桁なんてザラな、いわゆる激務ブラックだったんですが、頑張った分だけ結果もお給料もついてくるのでやりがいを感じてました。正社員になってすぐに妊娠が発覚したんですけど、妊婦検診にも行かずひたすら働きづめで……その結果、流産と異常妊娠からの病気(胞状奇胎・侵入奇胎)をしてしまいました。この時が人生のどん底でしたね。

それまで、努力すればだいたいのことは乗り越えられると思って生きていたんですけど、健康や妊娠・出産はまったくそうはいかないなって、自分の無力さを知りましたSNSで子育て中や育休中の友達を見かけるのすら、自分と比べちゃってしんどかったです。仕事は私じゃなくてもできるけど、私の子どもを守れるのは私だけ。そこをないがしろにしてしまった罪悪感や後悔ですね。バリバリ働くことの意味が見えなくなっちゃいました。正社員はやめて、派遣社員に戻って、ゆるゆると働くことにしました。

私みたいな生き方もあるよって、みんなに伝えたい

――ライターと「恋愛デトックスカウンセラー」の2軸になったのは、このころですか?

はい。ライターとして婚活パーティーの取材に行ったら、その一角に恋愛相談ブースをつくってほしいと頼まれたのが始まりです。私、二股かけられて捨てられた経験があって。不毛な恋愛を“デトックス”すれば、モヤモヤが晴れてもっと幸せになれると思ったことから、ただの恋愛じゃなくて「恋愛デトックス」を掲げました。本を出さないかと声をかけてもらいはじめたのもこのころでしたね。

――恋愛カウンセラーのやりがいって、どんなところですか?

だいたいみんな、私に相談する前に「答え」は出ていて、ただ話を聞いてほしいんです。だから、自分の思考の柱とか判断軸がどこにあるのか、相談者さんと一緒に考えて探っていく仕事という感じで、そこが楽しいです。それから、すごく細かくてリアルな、みんなの恋愛模様が見えるところかな。ライターとして恋愛相談を受けることはたくさんあったけど、相談者さんとのキャッチボールが生まれることはなかったんですよね。カウンセリングでは、相談者さんの反応もしっかり見えるのが楽しいです!

――どこまでもパワフルな下村さん。今の夢を教えてください!

恋愛デトックスカウンセラーを養成して、後継者をつくりたいです。なので、メディアに出たり講演したり、発信の部分に力を入れていきます。同時に、私みたいな生き方・働き方もあるよって、世の女性たちに見せていきたいかな。私自身、子どもを2人産んでも、無理なく続けていますし。パラキャリとしてももちろんだし、て独立することもできるよって、この選択肢があることを提唱していきたいです!

 

下村さき(しもむらさき)恋愛デトックスカウンセラー、ライター。上級心理カウンセラー、メンタル心理カウンセラーなどの資格も持つ。会社員、フリーターなどを経て2016年に独立。『失恋学』を提唱し、失恋リカバリー、男女のすれ違い、男の浮気・不倫、男性心理などを得意とする。現在は、カウンセリング業、執筆業のほか、恋愛・ライティング・パラレルキャリア・女性の生き方などの講師業や、PR、読者モデル・ポートレートモデルなど、パラキャリを実践。バリキャリではなくゆるいキャリアで、ちょっとだけ贅沢ができる暮らし=”ゆるキャリ・プチセレブ”をモットーに『女子キャリクリエイト』を始動。著作に、『わけもなく男が魅かれる女 50のルール』(三笠書房)、『苦手な女(ヒト)のトリセツ』(自由国民社)など。

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さくら もえ
Writer さくら もえ

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