資料作成や記事にちょっと写真を差し込みたい。バナーを作りたい。そんなときに便利なのがフリー素材サイトですよね。こんなに素敵な写真が無料なんて! と思うものや自分で作るにはちょっと時間がかかるな……というパーツ素材まで提供されていてとても助かりますが、その素材、どんな使い方をしてもOKではないって知ってましたか? 今回はフリー写真・イラスト素材の使い方と利用規約の確認すべきこと、見つけた素材をより良く見えるように使用するコツを前編・後編に分けてお伝えします!
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写真・イラスト素材の探し方
まず、写真やイラストを探すときのコツですが、どのサイトもカテゴリーから探せるようになっていると思います。ですが、大分類から探すと数も多く、考えている構図や内容の画像を見つけるのが大変です。そんなときはフリーワード検索で「複数のワードを掛け合わせて検索する」ようにしましょう。
検索ワード選びのコツは、その画像の中に含まれていてほしいキーワードを「明確に」「複数」入れること。です。
例えば、下の画像のように女性がパーティをしていて、シャンパンで乾杯している画像が必要な場合、「女性 パーティ」や「パーティー シャンパン」よりも「女性 パーティ シャンパン」と3つ程度のワードを入れると希望に近い画像が早く見つかります。
なるべく複数で、できれば希望のシチュエーション・場所も入れるといいでしょう。
無料の素材ではクオリティは担保できない
予算の関係で無料の素材を使うことも多いかと思いますが、無料と有料の素材では圧倒的にクオリティに差があります。無料の場合は、趣味やお小遣い稼ぎとして提供してくださっている素材であったり、必ずしもプロがクオリティを担保しているものではありません。
特に、人物に関してはヘアスタイルやメイク・ファッションが過去の流行りのものであったり、街の風景も現在ではなく過去の画であったりします。また、低解像度のデータは無料で提供されていても、高解像度のデータは有料という場合もあります。
明確に欲しい画が決まっている場合、トレンドのデザイン作成に素材が必要(特に人物)な場合には、有料素材のサイトを使用する、もしくはカメラマンやイラストレーターにしっかり依頼して素材を用意しましょう。1枚数万円の素材もありますが、1枚数百円から購入できるサイトも多くありますので少しでも良いクオリティにするために、ぜひ利用してみてください。
素材を使用する場合は、商用利用可能なものを選ぼう!
フリー素材もたくさんありますが、個人的な範囲で使用するのでなければ「商用利用可能」なものを選びましょう。「商用利用」とは営利目的で利用することです。利用することが可能と言っても好きに、自由に使用して良いわけではありません。利用する際は、必ず利用規約確認し規約の範囲内で利用しましょう。
ですが、利用規約の範囲内で使用といわれても、この利用規約わかりづらいですよね……。今回、利用規約を確認する場合に注意することをトレンダーズ株式会社で法務を担当している佐藤紘子さんに聞きました。
写真・イラスト素材について
まずは、写真・イラスト素材共通で注意する点です。
- 「フリー素材」「著作権フリー」等のワードで素材提供サイトを探すことがあるかもしれませんが、イラストや写真の著作権は放棄されていません。フリーは「一定のルールの範囲内で無料にて利用可能」という意味である点には注意しましょう。
- イラストや写真含む著作物を制作して、その著作物の著作権を第三者に譲渡すると、素材提供サイトのイラストや写真の著作権も譲渡したことになります。つまり、譲渡された人だけがそのイラストや写真を利用できる事になります。素材提供サイトの運営を妨げることになるので、注意しましょう。
※著作物が含まれる「物」を販売するだけなら、著作権譲渡ではありません。著作物の販売と、著作権の譲渡の区別が必要です。 - イラストや写真ごとに、利用条件が異なる場合があります。
イラスト関連について
イラスト関連の素材で注意する点です。
- 可能な利用方法や禁止事項は、素材提供サイトによって異なります。特に「商用利用可」とあっても、その意味は少しづつ異なります。素材提供サイトごとのルールの確認が必要です。
- 利用方法は「利用規約」「よくあるご質問」「〇〇(サイト名)とは」「ご利用について」などの項目個所に記載されています。わかりやすく、具体的に、簡潔に説明されている事が多いので、必ず確認するようにしましょう。ただし、数項目に分けて説明している場合もあります。これらの項目には、すべて目を通しましょう。
写真について
写真素材で注意する点です。
- 写真の場合もルール確認は必要です。ただし、文字数の多い利用規約が作成されている場合が多いです。利用上のルールは「利用条件」「ライセンス」「クレジット」「著作権」「権利の許諾」「肖像権」「モデルリリース」「被写体」「禁止事項」「免責」などの言葉を含む項目で説明される事が多いです。
- 写り込んだ本人より肖像利用の許可をとっていない人物写真も提供されています。人物の写る写真を利用する場合は、利用規約や個々の写真に付されたルールの確認が必要です。(※)
※カメラマンが人物の写り込んだ写真を撮影した場合、その写真には撮影したカメラマンに著作権と被写体となる人物に肖像権の2つの権利が発生しています。それぞれ別の人が持つこの2つの権利の利用許諾を受けないと、写真素材は使えないので、有料素材であっても実は肖像権の利用許諾を受けていない可能性もあります。ですので、必ず利用規約や写真に注意事項がないか確認が必要です。
その他
熟練したイラストレーター・カメラマンに素材を提供してもらうには、本来それなりの費用がかかるところ。無料のものは、基本的には好意で無料にて提供されているものです。利用方法で迷った場合は直接問い合わせるのが一番ですが、イラストレーター・カメラマンに不利益を与えないかを考えると良いでしょう。
おすすめの商用利用可能なフリー素材サイト
筆者がよく利用する、おすすめフリー素材サイトをご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
利用の際は利用規約をよく読み確認してから利用するようにしましょう。
無料で使用可能なサイト
ぱくたそ
トレンドの話題を取り入れた画像や人物画像までは幅広く提供されています。会員登録不要で使用可能です。
PhotoAC(写真AC)
ビジネスシーンから風景、テクスチャ素材まで多く提供されています。会員登録が必要です。無料の会員の場合、利用に制限があります。
イラストAC
https://www.ac-illust.com/
イラスト中心の素材サイトです。Aiデータも多く扱っており大変重宝します。PhotoAC(写真AC)同様に会員登録が必要で、無料会員の場合、利用に制限があります。
GIRLY DROP(ガーリードロップ)
おしゃれでガーリーな女性向けの写真素材を扱っています。トレンドも取り入れてありタピオカの画像などもあります。会員登録は不要です。
Pixabay
クオリティの高い画像がそろっています。海外のサイトですが日本語での検索も可能です。会員登録は不要ですが、高解像度の画像をダウンロードする場合は会員登録が必要になります。
サイト内にはスポンサー画像(有料)も掲載されているので注意してください。
有料で使用可能なサイト
アマナイメージズ
https://amanaimages.com/home.aspx
少々お高めですが、品質・品揃えは素晴らしく、印刷にも耐えられる高解像度画像が揃っています。
PIXTA
低価格で利用可能な素材サイトです。解像度によって価格は違いますがバナーであれば小さいサイズでも使用可能です。お得な定額サービスも提供されています。
まとめ
フリー素材を使用することで、普段の資料や記事のクオリティを高めることができたり制作の時短になったりと強力な味方になります。しっかり利用規約を読み把握したうえで適切に使用していきましょう! 次回の後編では、無料の素材を使ってもクオリティが高く見えるコツをお知らせします!